モーリー・ロバートソンさん、政治のワイドショー化に懸念 「日本の民主主義のちょっとした危機」

アメリカ人ジャーナリストのロバート・モーリー氏が、7月30日放送のフジテレビ系の「ワイドナショー」に出演した。政治やメディア、国民の対応について、「日本の民主主義のちょっとした危機を覚えました」と述べた。
モーリー・ロバートソンさんの公式サイトより

アメリカ人ジャーナリストのモーリー・ロバートソンさんが、7月30日放送のフジテレビ系の「ワイドナショー」に出演した。政治とメディア、国民がワイドショー化しているとして、「日本の民主主義のちょっとした危機を覚えました」と述べた。

この日の放送では、ここ最近起きた永田町での騒動を紹介。安倍晋三首相が閉会中審査で、加計学園に関する過去の国会答弁を訂正したほか、民進党の蓮舫代表や自民党の稲田朋美防衛相が辞任したニュースを取り上げた。

一連の騒動や報道について見解を求められたモーリーさんは、「政治とメディア、国民の3者がお互いに巡回するワイドショー化」しているとして、「日本の民主主義のちょっとした危機を覚えました」と発言。「本当に小さな潔癖の度合いを上げていけば、なんだって便宜を図っているように見える」と述べた。

続けて、自衛隊のPKO日報問題については「戦闘があるところにPKOで自衛官がいてはいけないという建前を守るため、現実は戦争と紛争のあり死ぬかもしれない場所に自衛官を派遣していたということを、堂々と議論できていない」と政府の対応を批判。国民に対しても、「『戦争はいやだ』『9条守れ』と、潔癖にすごい小さくまとまっている」と指摘した。

その上で、「内向きにこもった議論、政治とメディア、国民の3者の衆愚状態からさっと抜けて、目の前にある北朝鮮という現実をどうするのか。憲法9条が問題になるのかという議論をドカンと開いていかなければならない」と述べ、安全保障の議論を前進させる必要性を訴えた。

話は蓮舫氏の辞任に移り、MCを務める松本人志さんは「気を張って頑張ってたんだろうなと。緊張感がちょっとぷつっと切れたのかな、その時一瞬、蓮舫さんが可愛く見えた」と語り、共演者の笑いを誘った。

モーリーさんは、蓮舫氏の二重国籍問題に触れ、謝罪だけでなく当事者としてこの議論を前に進めるべきだったと指摘。「国籍の問題が解決されていない人たちが日本に何十万人もいる。そういう人たちにとっても希望となり、彼らが声が上げやすくなるし、やはり、リーダーとして突破していくリベラルであってほしかった」と残念がった。

松本さんもこれに賛同し、「二重国籍は悪いことではなく、利点にもなる」と述べた。

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