北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けて、自民党の二階俊博幹事長が「大きな防空壕を造ることができるか対応しないといけない」と発言したことに対して、前大阪市長の橋下徹氏がTwitterで「日本の国会議員の危機管理能力は最低レベルだ」と苦言を呈している。
二階氏は7月29日、党本部で開いた「北朝鮮核実験・ミサイル問題対策本部」の役員会後、報道陣に「地方、地域で大きな防空壕(ごう)を造ることができない、対応していかないといけない」と説明。
国民の避難方法について、「各県、自民党県連などが協力して対応すれば、防空壕を造る場合でも、相当スピーディーに対処できるのではないか」との見解を示した。
さらに「財政がどうだこうだと言っている時ではない。国民の命と財産を守ることが政治の要諦だ」と述べ、防衛力強化のために十分な予算をつけるべきだと訴えた。
自民党は6月、北朝鮮の弾道ミサイル発射に備えて、シェルター新設を検討することなどを盛り込んだ提言を公表。二階氏の発言は、この提言を進める意欲を示した形となる。
これに対して、橋下徹氏は29日、二階氏の方針に疑問を呈するツイートを連続して投稿した。
日本を対象にしたミサイルは何年も前から実践配備済みであると指摘した上で、「今となって防空壕とは」と嘆いた。
内閣官房によると、弾道ミサイルは発射されてから短時間で日本に飛来すると予想される。過去のケースでは、発射から約10分後、沖縄県の上空を通過した。こうした事情から、橋下氏は「一体いくつのシェルターが必要でいくらの費用がかるのか。先進国でそんなことやっている国はあるのか?」と疑問を投げかけた。
続く投稿では、「どうせ国会議員や地方議員、役所の公務員が逃げ込めるシェルターを作って終わりだろう。戦前と同じ」と批判。さらに、韓国が地下街や強固な民間ビルをシェルターとして認定し、有事の避難場所としていることを引き合いに出し、「シェルターを全国に公共が作るのか」と異議を唱えた。