イーロン・マスク氏ら、ロボット技術の軍事転用禁止を国連に求める

電気自動車メーカー「テスラモーターズ」の代表を務めるアメリカの起業家イーロン・マスク氏らが、殺人兵器としてのロボット開発などを禁じるよう国連に要請した。
A robot from the movie is on display for the premier of the motion picture Terminator 3
A robot from the movie is on display for the premier of the motion picture Terminator 3
Mike Blake / Reuters

電気自動車メーカー「テスラモーターズ」や宇宙ロケット製造会社「スペースX」の代表を務めるアメリカの起業家イーロン・マスク氏らが、殺人兵器としてのロボット開発などを禁じるよう、国連に要請した。8月20日、イギリスのガーディアンなどが報じた。

ロボットや人工知能(AI)の開発が世界中で進む一方、軍事転用の危険性を指摘する専門家らが絶えない。自ら人工知能研究団体を設立したマスク氏もそんな一人だ。

イーロン・マスク氏

ガーディアンによると、国連に要請したのは26カ国のロボットやAIの研究者ら計116人。マスク氏のほか、世界トップ棋士を破ったコンピューター囲碁プログラム「アルファ碁」の開発会社の共同創設者ムスタファ・スレイマン氏も名を連ねている。

マスク氏らは要請文の中で、ロボットやAIの技術が使われた兵器は「火薬、核兵器に続く『第3の戦争革命』」などと主張している。

「そのような決定的な兵器は、一度開発されればこれまで以上に大規模で、想像を絶するスピードでの戦闘を可能にする」などとも警告し、テロ活動への悪用やハッキングされたときの危険性なども指摘した。

その上で、こうした兵器を、1983年に発効した特定通常兵器使用禁止制限条約の規制対象に加えるべきだと訴えている。

イギリスの新聞インディペンデントによると、要請文は、19日にメルボルンで開幕した国際人工知能会議の中で披露された。

国連は2016年、戦車やドローン(無人機)、自動マシンガンを含むロボットやAI技術を使った兵器について正式に話し合うかどうかを決める投票を実施したが、完全な禁止を求めたのは123のメンバーのうち19だった。

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