スペインのテロ、事前に察知できた可能性が浮上

テロ前夜に起きた爆弾事故の初動捜査の不備を指摘する声も。
テロ現場となったランブラス通り(2017年8月22日撮影)
テロ現場となったランブラス通り(2017年8月22日撮影)
Albert Gea / Reuters

スペインテロ、初動捜査に批判 事前察知の可能性指摘

スペイン北東部カタルーニャ州での連続テロ事件で、地元警察の初動捜査が後手に回らなければ、テロ計画を事前に察知できた可能性があることがわかった。ロイター通信が23日、警察や司法関係者ら4人の話として伝えた。

車が繁華街に突っ込み13人が犠牲になったバルセロナ事件前日の16日深夜に、犯行グループの爆発物製造拠点で誤爆が発生。グループはここで大規模テロ向けの爆弾を製造していたとされる。だが、州警察は当初、単純なガス漏れが原因と考え、爆弾テロとの関連性を疑うのに数時間かかったという。一方、爆弾を失った犯行グループは、すぐに車を使った手口に切り替えたとみられる。

現場には爆弾製造の材料や約120本のガスボンベがあったが、警察が爆発物の専門家を現場に送るのに10時間かかり、テロ集団の存在に気づくのが遅れた。この専門家が、誤爆がテロ計画と関連していると断定した17日午後5時ごろには、犯行グループの1人はバルセロナの繁華街でバンを暴走させていた。

初動捜査が円滑に進めば、厳戒態勢を敷くなどの対応がとれ、暴走によるテロを阻止できた可能性が指摘されている。

ただ、州警察の幹部は21日の記者会見で捜査の不備を問われ、「後知恵で批判するのは公平ではない」と反発した。(バルセロナ=榊原謙)

(朝日新聞デジタル 2017年08月24日 10時12分)
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