タバコ休憩は不平等? 非喫煙者だけの有給休暇、導入の狙いは

その名も「スモ休」。年6日間も休みが増える
ピアラ社のプレスリリースより

タバコを吸わない人に有給休暇を与える−−。

働き方改革が叫ばれ、社員が十分な休みを取れるよう各企業が努力する中、なんとも珍しい休暇制度を導入する会社が現れた。

■きっかけは社員の意見を聞く「目安箱」

この制度は、タバコを吸わない社員に対して年最大6日間の特別有給を与える「スモ休」。ウェブマーケティングを手掛ける「ピアラ」(東京都渋谷区)が、9月1日から導入する。

導入のきっかけは、社員が匿名で直接社長に対して意見・要望を伝えられる「目安箱」。ある社員から、「喫煙者は通常の休憩時間以外にも数回、業務を離れることがあり、非喫煙者との業務時間の差が問題ではないか?」という意見が寄せられた。

この意見を基に、労働時間の"不平等感"の解消と、禁煙促進による健康増進を図ることを目的に、「スモ休」の導入を決めた。

同社の広報担当者は8月30日、ハフポスト日本版の取材に対して「社長も社員の意見に理解を示した。自身の健康や喫煙について振り返り、禁煙を考えるきっかけにしてほしい」と制度の狙いを説明。

6日間という日数の根拠については、次のように語る。「会社が入るビル内に喫煙室があり、1回の喫煙は移動時間も含めて20分ほど。1日2回と仮定すると1日40分、週200分です。これを年計算すると休暇の日数はもっと多くなるのですが、極端に増やしすぎると業務に支障が出るので、6日間にしました」。

制度は自己申告で、喫煙者が禁煙になった場合も対象となるが、申請の内容に虚偽があった場合は制度が利用できなくなるという。

■社内では好評、ネットは賛否

100人ほどの社員のうち、喫煙者は約35%。喫煙者からの不満はなかったのか。

担当者は「タバコを吸わない人は単純に休みが増えますし、この制度をきっかけにタバコをやめるのを決めた社員もいます。喫煙者からも『健康を考えていて良い制度』といった反応があり、特に不満などは聞いていません」と語る。

現在、約60%ほどの有給休暇の取得率についても「新しい制度をきっかけに、有給休暇の取得の促進にもつなげたい」と期待した。

この取り組みが報道されると、ネット上では「どの会社でも実施してほしい」「みんな休みたいときに休んだらいい」などと賛否の声が広がった。

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