まるでウユニ塩湖。鳥取砂丘で「奇跡の一枚」撮影できる条件は?

「奇跡の一枚」はいつも撮れるわけではない。
インターネットで広まり、話題となった写真(昨年10月、鳥取市、小椋さん提供)
インターネットで広まり、話題となった写真(昨年10月、鳥取市、小椋さん提供)
朝日新聞社

まるでウユニ塩湖 鳥取砂丘で撮影された「奇跡の一枚」

鳥取砂丘(鳥取市)で撮影された「奇跡の一枚」と呼ばれる写真がネット上で話題になっている。波が引いた砂浜が「鏡」のようになり、空や人の姿を映し出す――。撮影に成功するには気象条件などがそろう必要があるが、同じような写真を撮ろうと訪れる人が増えている。

写真を撮影したのは、砂丘周辺で自転車ツアーを企画、運営する「TRAIL ON(トレイルオン)」(鳥取県湯梨浜町)代表の小椋宣洋さん(46)。ツアーは国などの許可を得ており、ファットバイクという通常よりタイヤの幅が広い自転車に乗って砂丘を走るもの。

昨年10月、ツアー客の思い出にとスマホで撮影。写真をフェイスブックに掲載したところ、旅行サイトで紹介された。SNSなどでも、空や人の姿が湖面に映される光景で知られる南米ボリビアのウユニ塩湖みたいと話題となった。県外客だけでなく、県民も砂丘の知らなかった一面に驚き、「同じような写真を撮りたい」とツアーに参加している。

8月25日午前の部に参加した10~20代の男女3人も、ネットに掲載された小椋さんの写真を見て興味を持ったという。ただ、「奇跡の一枚」はいつも撮れるわけではない。小椋さんによると、風や波、日光の差し具合などの条件が整う必要があるという。

この日、小椋さんはタイミングを見て、3人に波打ち際を走り抜けるよう指示。小椋さんは「今日のコンディションではこれが限界」と撮った写真を見せたが、ツアー客は「かっこいい」と声を弾ませた。奈良県の高校2年の岩井康洋さん(17)は「ウユニ塩湖っぽい写真が撮影できた。LINEのプロフィル画像にします」と満足げだった。

小椋さんは最近「写真だけが独り歩きしている」とも感じている。期待を込めて訪れた客がうまく撮影できず残念な思いをすることを心配する。「砂丘にはほかにも写真映えする場所があるので、砂丘の自然をもっと満喫してほしい」

ツアーは1回2時間程度で予約制。身長150センチ以上で、料金は1人5千円。不定休。問い合わせは(080・1649・1796)。(横山翼)

(朝日新聞デジタル 2017年09月10日 06時43分)
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