家1軒ほどの大きさがある小惑星が10月12日、地球に異常接近する。アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、この小惑星が地球に衝突する危険性はないが、専門家にとっては衝突を想定した予行演習の絶好の機会だという。
接近する小惑星「2012 TC4」は12日午前5時41分(日本時間同日午後2時41分)に、地球から4万2000キロ未満の距離を通過する。これは、地球から月までの距離の約8分の1に相当。最も接近するのは南極上空だが、残念ながら肉眼で観測することは難しいという。
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小惑星は2012年に発見されたが、地球から5600万キロと非常に遠い位置にあり、秒速14キロの速さで地球に近づいていた。15〜30メートルの大きさがあり、2013年2月にロシアのチェリャビンスク州周辺に落下し、衝撃波で千人以上がけがをしたと言われる隕石よりも少し大きいという。
地球に近づく小惑星は多数あるが、TC4は世界各地の研究者によるネットワークで「小惑星警告システム」をテストする対象に選ばれた。
NASAでTC4観測プログラムの責任者を務めるマイケル・ケリー氏は、今回の接近について「世界に張り巡らされた小惑星発見・追跡ネットワークをテストし、本当の潜在的脅威が発見されたときのために対応能力を評価する予定だ」などと述べた。