韓国中部の堤川(チェチョン)でサウナなどが入居するビルが全焼し29人が死亡した12月21日の火事で、韓国警察は業務上過失致死傷容疑などでビル所有者(53)と管理人(50)の逮捕状を請求すると発表した。聯合ニュースなどが報じた。
これまでの調べで、現場のビルには、消防や避難の設備に複数の不備があったことがわかっている。
聯合ニュースは「警察は現場鑑識と生存者の供述などから、1階ロビーにあるスプリンクラーのアラーム弁が閉じられていたため、火災当時、一部のスプリンクラーが作動していなかったことを確認した」としている。
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また、死者20人が集中した2階の女性用サウナの非常口付近には鉄製の棚が置かれており、脱出ができない状態になっていた。
さらに、燃えやすい「ドライビット」という外装材が使用されていたことが、火災の拡大をまねいたとみられている。2015年に130人以上の死傷者を出した韓国のマンション火災でも同じ工法が使われていた。
どんなビルだったのか?
ビルは2017年8月に所有者の男が競売で入手、改装工事を経てサウナは10月ごろからリニューアルして営業を再開していた。
当初は地上8階建てと報じられていたが、実際には9階建て。しかし、2011年7月に使用許可が出た時点での届け出上は7階建てとされており、それから2度にわたって違法に増築された疑いもあるという。
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この火災で、12月25日時点での死者は29人、負傷者は36人となっている。