トランプ大統領の元最側近、バノン氏が保守系ニュースサイト会長を辞任へ

「事実上、辞めさせられた」と関係者は証言した
バノン氏
バノン氏
Kevin Lamarque / Reuters

トランプ大統領の最側近だったスティーブ・バノン前首席戦略官が、トランプ氏を支持する保守系ニュースサイト「ブライトバート」の会長を辞任することになった。1月9日、ブライトバートがサイトで記事として発表した。

バノン氏は、トランプ氏の暴露本に協力したことでトランプ氏から反感を買っており、今回の辞任につながったとみられる。

ブライトバートは記事の中で、バノン氏の言葉を紹介した。

私はブライトバートのチームが、世界規模のニュースサイト構築をめぐり、短期間に成し遂げたことに誇りを持っている。

また、ブライトバートの最高経営責任者、ラリー・ソロフ氏も「スティーブは我々の貴重な遺産の一部であり、彼の貢献と、我々を支援してくれたことに対して我々はいつも感謝することだろう」とコメントした。

「勇退」を印象付ける形になったが、突然の辞任劇は、最近発売されたトランプ氏の暴露本「炎と怒り」をめぐるバノン氏とトランプ氏の確執が関係しているようだ。

本の中で、バノン氏が大統領選中にロシア人弁護士と面会したトランプ氏の息子ジュニア氏を「反逆的で非愛国的」と話したことが書かれている。これに対し、トランプ氏は「汚い情報漏洩者」と非難。のちにバノン氏も「(発言は)ジュニア氏ではなく、選対本部長に向けられたものだ」と釈明する展開になった。

ABCニュースは、バノン氏に近い関係者の話として「バノン氏の政治活動がブライトバートに損害を与えていた」と指摘。事実上、バノン氏が辞めさせられたとの認識を示した。

CNNによると、バノン氏は2012年に創設者のアンドリュー・ブライトバート氏からブライトバートの運営を引き継いだ。2016年、トランプ氏から大統領選の選挙対策本部最高責任者に任命されたことで一躍有名になった。

選挙後はトランプ大統領に助言する上級顧問と首席戦略官にも就任したが、政権内でトランプ氏の家族や別の側近たちとの間で意見が合わず、2017年8月に辞任していた。

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