2018年03月01日 16時52分 JST | 更新 2018年03月02日 11時21分 JST

女27歳、女29歳、女31歳。「#期限なんてない」を体現している、彼女たちの場合。

わたしたちは、どうしてあんなに年齢を気にしていたのだろう。

就職・転職、結婚、出産......私たちは常に「適齢期」に脅かされている。いつの頃からか、年を重ねることを喜べなくなるのは、なぜだろう。

昨夏、全世界で1億回以上、日本でも880万回再生されたSK-Ⅱのキャンペーン動画を覚えているだろうか。日中韓の女性たちを主人公に、女性が年齢にまつわる様々な社会的・心理的圧力に葛藤している現実をあぶり出し、大きな話題になったこの動画。このほど、日本限定のリメイク版が公開された。

キャンペーンに参加しているシシド・カフカ、近藤千尋といった著名人が発信したツイッター上での女性の年齢と生き方に関する問いかけにも、2万件以上の投票が集まるなど、このトピックへの女性達の関心の高さがうかがえる。

20代女性の7割、年齢を重ねることに「漠然とした不安」

SK-Ⅱの調査では、20代女性の71.3%が、このまま年齢を重ねていくことに漠然とした不安を感じると回答している。このつきまとう葛藤や焦燥感。あなたも、知らず知らずのうちに、自分自身に年齢的な期限を決めて、プレッシャーをかけていませんか――?

SK−Ⅱ

SK-Ⅱでは、日本人女性がその不安やプレッシャーから自分自身を解放し、自分で運命を切り拓く一歩を踏み出すきっかけになるようこのキャンペーン動画を公開。同時にメッセージに共感する、近藤千尋さん、シシド・カフカさん、スプツニ子!さん、マドモアゼル・ユリアさんらがキャンペーンに参加し、SK-Ⅱとともに女性たちにエールを送っていく。

ハフポスト日本版では、年齢のプレッシャーを感じながらも、それを乗り越え、自分が信じることに一歩前に踏み出そうとしている女性たちに取材した。彼女たちのリアルな選択とストーリーを紹介しながら、「#期限なんてない」を証明したい。

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仕事でも、プライベートでも、年齢のプレッシャーに違和感

KAZUHIRO SEKINE / HUFFPOST JAPAN

井土亜梨沙さん、27歳、編集者。仕事でも、プライベートでも、年齢にまつわるプレッシャーを感じることはよくある。社会人4年目。仕事も落ち着いてきて、同世代の結婚ラッシュが始まった。

1歳上の彼氏とは、付き合って6年になる。友人や知人は「いつ結婚するの?」。「交際の先には、当然結婚を考えるべきだ」、「30歳までに結婚するのが望ましい」、そんな社会通念を前提とした質問に、正直、違和感を抱いている。

彼とは、ほかのカップル以上に、2人のあり方について話しているつもりだ。結婚は、2人の関係を大きく変えるものというよりは、「私たちは夫婦である」と社会に表明することではないだろうか。

むしろ、結婚という形に集約されない関係性の方が、逆に特別な気がする。60歳、70歳になっても「彼と付き合っているんです」と言う方が、ロマンチック。

自らかけたプレッシャーは、自ら解けるはず

結婚に対すること以外でも、女性が自分自身に「プレッシャー」をかけているのではないか、と思う時がある。30代以上の女性が「私なんかおばさんだから」と言ったり、「年甲斐もなく」と年齢を自虐ネタに使ったりすること。コミュニケーションとして言っていることはわかりつつも、ちょっと悲しくなる。

こういう発想って、意識的に変えていかないとダメだと思う。プレッシャーをかけるのも自分だし、プレッシャーを解くのも自分次第。

KAZUHIRO SEKINE / HUFFPOST JAPAN

思えば、生まれた瞬間から、私たちは目に見えないチェックリストを渡されている気がする。義務教育を受ける、高校や大学に入る、彼氏をつくる、会社に入る、結婚する、子供を産む......。

「チェックリスト」を変えていこう

いろいろな女性がいるはずなのに、同じチェックリストが渡されているのはおかしい。そのチェックリストを自ら作り替えたり、順番を入れ替えたり、チェックをあえて外していく、そんな作業を繰り返すことで、「自分にとって本当に大切なこと」に気づくことができる。そして、それを大事に信じて進むことが「その人らしさ」につながるんじゃないだろうか。

チェックリストを変えちゃおう、そう思った。

大手の不動産会社から、未経験でネットメディアの編集者に転職した。不安がなかったといえば嘘になるが、「何歳だから」っていうのは好きじゃない。私のおばあちゃんも、80歳になっても週6でヨガをしてる。私も、いくつになっても、強い意志を持って、まっさらな気持ちで挑戦していきたい。

誰かに与えられたチェックリストで生きる生き方は、私は選ばない。

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お節介から始まった、私の新しい一歩

HUFFPOST JAPAN

樽見春香さん、29歳、会社員。看護師としてキャリアをスタート。現在は、営業職に転職して3年目。今春の結婚が決まっている。

今は会社員だが、社会人としてのスタートは、看護師だった。去年から、看護師として行っている活動がある。「ナース酒場」といって、お客さんが気兼ねなく飲みながら健康についての話ができる場づくりだ。

10代の頃、食事がうまくいかなかった。いま思うと、摂食障害だったのかもしれない。看護師として、様々な患者さんやご家族の苦しむ姿、最期を見てきて「こうなる前になんとか気づけなかったのか? 関われなかったのか?」と思うことがたくさんあった。すべての人が健康で、病院の世話にならないことが一番なのではないだろうか。

病院を飛び出して、健康な人にアプローチしよう。そんな思いで看護師仲間と「#看護師ーず」というコミュニティを結成。東京カルチャーカルチャーと一緒に「ナース酒場」というイベントを始めた。

病気になるのは突然のことじゃない。ストレスを溜めたり、寝不足で無理をしてしまったりと、病気になる前にいろんなきっかけがある。私も昔は完璧主義で、他人の目が気になりすぎたことで病気になったんじゃないかと思う。もし知り合いに看護師や、相談できる人がいたら、なにか変えられることがあるかもしれない。

私たちが最初にアプローチしたいのは、今と未来の日本を引っ張る20〜40代の働く世代だ。「ナース酒場」に飲みに来て、血圧を測って健康の話をするなかで、異変に気付いて病気を未然に防ぐことができたら——。私、お節介なのかもしれません。

そのほかにも、関心や問題意識の赴くままに、様々なイベントを主催したり、コミュニティを築いたりして、自分が大切と思うことを周囲にも伝えていきたいという思いを大事に活動している。

自分ごとにすることで、生まれる価値観

何かを始めるのに誰かに決められた「期限」はないし、自分が「これをやりたい」と思ったとき、自分ごとになったときが始めどき。自分がやりたいと思ったことを大切に、100%を目指さなくていいから、一歩でも踏み出して、足を突っ込んでみよう。その時に完遂できなくても、20年後、30年後に形になるかもしれない。

HUFFPOST JAPAN

決めるのはいつも自分だから、「どんなことも自分ごととして関わろう」。いつも心がけていることだ。

新たな人生、リアルに踏み出す

そんななか、30歳を前に、結婚が決まった。「20代のうちに結婚しなきゃ」という焦りは全くなかったけど、彼と出会って半年、たまたま20代の最後に入籍することになった。

「結婚はゴール」みたいな言われ方をすることもあるけど、名字が変わり、自分自身のアイデンティティが変化していくから、むしろスタートライン。人には、結婚が決まったとき、「30歳までに結婚する=良かったね」と言われたけど、他人の価値観で結婚するわけじゃない。たまたま今、結婚が自分ごとになった、それだけのことだと思っている。

今は新たな人生が楽しみである反面、もちろん不安もある。戸籍謄本を取り寄せて、「この戸籍から抜けるのか」と思ったりすることもある。でも不安を感じる以上に、この機会を大切にしたいと思った。結婚をすることで彼とはこの先の人生についてじっくり話すようになったし、彼は私に「仕事やキャリアを諦めることはして欲しくない」といってくれる。

子育てのこと、子供の受験や生活のこと、それに合わせた自分自身の働き方、老後のこと......。今のうちに、なるべくリアルに考えていきたいと思っている。私はこれからも、自分が「これをやりたい」と思ったことを大切に、一歩踏み出し進んでいこうと思う。

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31歳。この春、渡米します

HUFFPOST JAPAN

林樹莉さん、31歳、研究者。歯科医師免許を取得、研修医を経験した後、大学院へ。昨年、博士号(歯学)を取得し、研究と治療に励む。共同研究のため、この春、米国の大学に行くことに決めた。

研究では、これまで肉眼ではわからなかった初期の虫歯や治療の成果を、X線を使わずにリアルタイムに観察できる装置の臨床応用を目指している。

結婚しないという「転機」

歯学部で6年。大学院で4年。学問と研究に明け暮れているうちに、20代があっという間に過ぎていった。

25歳で地元に戻り、研修医として病院に務めていた頃だった。同僚の彼に「結婚しよう」と言われた。「付き合おう」という言葉よりも先だったので驚いた。彼と一緒に家族をつくり、地元で開業しながら子育てをする。そんな未来もありなのかな、とも思った。

一方で、彼個人と付き合うというより、彼の人生や家族に自分が組み込まれるような気がした。彼個人というよりは、「家」が見えていた。彼は結婚するつもりで地元に帰ってきていた。周囲は「いつ結婚するの?」という雰囲気だった。

そんななか、大学院の入局説明会に行った。現在師事している教授に出会い、打ち込んでみたいテーマが見つかった。病院での臨床の世界は刺激的で面白かったけど、やはり私は研究をしたい。

1年間の研修期間を終えたら、再び東京に戻って大学院に入学することを決めた。当時の自分には、彼の希望に寄りそう未来よりも、研究の世界の方が自分の進むべき道に見えた。大きな転機だった。

完璧じゃないけど、やりたいことを諦めない

思えば、20代の頃はなぜあんなに気負っていたのだろう。学業も恋愛も、なんでも完璧にしないといけない、両立ができないのならどちらかを諦めなければ、と思っていた。

研究に没頭した20代後半、いろんな出会いがあったけど、無理して自分を変えてまで恋愛をしようとは思わなかった。研究も少しずつ形になり、認められるようになってきた。

HUFFPOST JAPAN

ここ数年は、大学の同期の結婚ラッシュが続いている。産休中の友人も多い。教授は、大学院生として過ごす20代後半が人生においていかに大事かを理解してくれている。結婚、出産、アルバイトなど、学生の人生を尊重してくれているように思う。誰もが自分のやりたいことを諦めない中で、私もまた、自分の心に従って、研究に没頭した。

「30代になって、同期で同窓会を開いたときに、結婚しない、子供もいないというのは、かわいそうって思われるよ」。

時々、大学時代の友人の言葉が頭をよぎることもある。いろんな生き方があっていいんじゃないかな。30代の私の答えだ。私はこれからも、私が大切と思ったことを大事にしていきたい。

自分にリミットを設けない。歳を重ねるのが楽しみ

歳を重ねて、だんだん自然体になってきた。うまくいくこともあるし、うまくいかなかったら誰かが助けてくれる。そういう自分自身をつくるのに、私は30年かかった。

この春、研究のために米国の大学に行くことに決めた。20代前半の頃の自分には考えられなかった選択だ。年齢についての圧力は見えないし、聞こえない。何かを始めるのに誰かに決められた期限なんてない。もう年齢にも気負わずにいられるようになった。

20代前半の自分と今の自分は、全く違う人間だと思う。来年の自分はもっとパワーアップしていると思う。歳を重ねていくのが、今は本当に楽しみだ。

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彼女たちは、無数の選択肢の中から、自分自身が本当に大切だと思っていることを大事にしながら生きている。挫折や不安もある。それでも、自らの手で掴み取った一つひとつの選択が尊く、美しい。

SK-Ⅱ

「運命は自分で切り拓けるもの。自分の大切なことを信じて前に進んでいくうえで、誰かに決められた期限なんてない」。彼女たちの生き方と共に、SK-Ⅱのメッセージを改めて噛みしめよう。