羽生結弦が「SEIMEI」への熱き思いを語る。「日本の音楽で金メダルを取れたのは歴史的なこと」

椅子から立ち上がり「4回転半ジャンプ(4回転アクセル)」を解説するシーンも(動画あり)
金メダルを手に微笑む羽生結弦選手(2018年2月27日=日本外国特派員協会)
金メダルを手に微笑む羽生結弦選手(2018年2月27日=日本外国特派員協会)
Kei Yoshikawa/HuffPost Japan

平昌オリンピック金メダリストの羽生結弦選手(23)が2月27日午後、東京・千代田区の日本外国特派員協会で記者会見した。

66年ぶりに男子フィギュアスケートのオリンピック連覇を成し遂げた羽生選手。その発言には海外も注目しているようだ。記者席は満席。会見には多くの外国人記者が参加した。

■金メダルは「小さい頃から夢だった」

金メダルをかけた羽生選手は、「今日、ここに来れたことを嬉しく思います」と英語で挨拶した。

そして、金メダルを獲得した心境について「小さい頃から夢だった」と語った。

「僕は選手の中で、わりとケガや病気が多い方の選手。その間、練習や試合に出れませんでした。特にソチからの4年間は(ケガや病気が)続いた。やはり、小さい頃からオリンピックで金メダルをとることが夢だった。具体的に2連覇は考えてはいなかったが、いまこの年齢で、このオリンピックで金メダルを取りたいと思いました」

会見に臨む羽生選手(2018年2月27日=日本外国特派員協会)
会見に臨む羽生選手(2018年2月27日=日本外国特派員協会)
Kei Yoshikawa/HuffPost Japan

■足の痛みは「20〜30%ほどしか落ちていない」

ケガをしていた期間の生活について問われると、「感覚と痛みと向き合いながら勉強してきました」と述べた。

「スケートができない間だからこそ、机に向かってパソコンに向かって学ぶことができた。治りが遅くて焦ることもあったが、ケガについて調べたり、感覚と痛みと向き合いながら勉強してきました」

「またケガをしないように、トレーニングの方法、ピークの作り方、メンタルだとかを勉強しました。足は、はっきりいって痛いときから比べてみたら20〜30%ほどしか痛みは落ちていないですが、痛み止めと一緒に金メダルを取ることができたので、20%、30%の痛みを落としてくれたサポートメンバーに感謝しながら滑らなきゃなと思いました」

■自ら「4回転半ジャンプ(4回転アクセル)」を解説

会見の途中、羽生選手が「夢」「目標」と語る「4回転半ジャンプ(4回転アクセル)」について、実際に身体を動かしながら解説する場面も...。

■なぜ「SEIMEI」だったのか?

羽生選手といえば、フリープログラムで使用した映画『陰陽師』のテーマ曲「SEIMEI」が有名だ。なぜ、この曲を用いたのか。羽生選手はこう語る。

「これまでの歴史を考えると、アジア人がフィギュアスケートで勝つということがほとんどなかった。(フィギュアスケートは)ヨーロッパで発展し、日本に渡ってきた。実際にヨーロッパと日本では(スケートの)歴史も、長さも違う。表現や美しさ(を競う)というスポーツにおいて、アジア人は圧倒的に不利だと思われてきました」

「そういった中で、日本の音楽を基調とした曲で、金メダルを取ることができたのは、非常に歴史的なことだと思いますし、自分の国の音楽だったり独特な文化を持つ曲であったり、そういったものが増えていくきっかけになればなと思います」

■「勝負メシ」は「ご飯(米)」

外国人記者からは、羽生選手の「勝負メシ」を尋ねる場面も。「食に対して、あまり興味はない」としながらも、こんな事を語った。

「日本人としては寿司と言いたいが、競技前に生物を食べるのは危険なので、僕はいつも、絶対にご飯は食べるようにしています。日本人らしいのかな...?」

「やはりパンやシリアルだったりパスタではあんまり力が出ないので、どの会場、どの国でも(ご飯を)食べて、そのパワーを演技につながるようにと思って食べています」

■「フェルナンデスがいたから...」同門との友情語る

会見では、ともにブライアン・オーサー氏に師事するスペインのハビエル・フェルナンデス選手との友情についても、笑顔を交えながらこう語った。

「優しすぎて、競技には向いていないのではないかと言うぐらい優しい(笑)。それでも、自分と一緒に練習している時は絶対に勝ってやるって思いながら練習していますし、彼がいたからこそカナダでトレーニングをするという選択をしました」

【訂正】2018/02/27 22:00

当初の記事で「4回転半アクセル」としていましたが、正しくは「4回転半ジャンプ(4回転アクセル)」でした。

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