森友学園の文書「書き換え」って何が問題なの?

郷原信郎弁護士は有印公文書変造・同行使に当たると指摘しています
時事通信社

森友学園への国有地売却をめぐって、財務省が3月12日、決裁文書の「書き換え」を認めた。

削除された部分は、森友学園の籠池泰典前理事長とのやりとりが書かれており、安倍昭恵夫人や複数の政治家の名前があった。

財務省が「公文書」である決裁書を書き換えたことを受けて、安倍晋三首相のや麻生太郎財務相の責任を問う声も上がっている。今回の「書き換え」は、そもそも何が問題なのか。郷原信郎弁護士のブログを引用しながら解説する。

1:書き換えられたのは、国の「公文書」

書き換えられたのは、どのような文書なのか。

財務省近畿財務局が2015年から16年に作成した、国有地の貸し付け契約と売却契約の決裁文書やそれに付随する計14件の文書。

つまり国が作った「公文書」だ。

2:公文書の書き換えは、どんな罪に該当するのか

郷原氏は3月8日付のブログで、公文書の書き換えがあった場合、「『有印公文書変造・同行使』という犯罪に当たる」と指摘している。

有印公文書変造罪(155条第2項)は、公共機関や公務員が押印、署名した文書・図画を変造することを禁じており、違反した場合は1年以上10年以下の懲役となる

3:写しでもダメ

郷原氏は決裁文書の書き換えについて、2つの可能性について言及している。

・原本そのものが書き換えられた

・「写し」が国会議員に開示される際に書き換えられた

その上で、原本だけでなく写しも公文書偽造罪の対象となるとする最高裁の判例を引用。どちらのケースでも罪が成立すると指摘している。

郷原弁護士は「決裁文書の『原本』は、財務省が責任を持って保管すべき公文書であり、国会議員に提出した資料について、原本と異なるのではないかとの疑いが持たれているのであれば、原本を示して、『写し』が『原本』と相違ないことを明らかにするのは当然の義務だ」とつづっている。

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