森友「ごみ撤去費用」大幅値引きを提案したのは大阪航空局だった 財務省の新たなメモで判明

どんな内容が書かれていた?
時事通信社/HuffPost Japan

財務省が森友学園との国有地取引に関する決裁文書14件を改ざんした問題で3月19日、新たに1枚のメモが削除されていたことが判明した。財務省が追加で発表した。

この国有地をめぐっては、ゴミの撤去費用として約8億円が値引きされた経緯が問題視されている。削除されたメモには、この値引き方法を提案したのが、国交省大阪航空局だったことが記されていた。

■森友学園側「損害賠償請求を行う」「除去費用を控除するなら購入検討」

削除されていたのは「(決裁参考メモ)森友学園事案に係る今後の対応方針について」で、2016年4月4日付のもの。

財務省の報告書より(2018年3月19日)
財務省の報告書より(2018年3月19日)
HuffPost Japan

削除されていたメモは、2016年4月4日付の「(決裁参考メモ)森友学園事案に係る今後の対応方針について」で、次のような内容が記されていた。

メモによると、森友学園側は2016年3月11日、敷地内から新たなゴミが見つかったと報告。

「廃棄物除去の影響で工期がずれ込むことになった場合、損害賠償請求を行う」と申し出た。

学園側はまた、「除去費用等を控除するなら、購入も検討したいので売却価格の提示を考えてもらいたい」と提案したという。

当時の国側と学園側とのやりとりは、2016年3月下旬~4月のものと見られる音声データが明らかになっている

この中で、籠池泰典・前理事長が近畿財務局の担当者に「棟上げのときに首相夫人が来られることになっている」と発言。近畿財務局の担当者も「(新たなごみの補償を)きっちりやるストーリーはイメージしている」などと述べていた。

そして、今回の「削除されたメモ」には、「棟上げ式までの工程に与える影響を最小限にする」ため、売却価格からの控除を検討する旨が書かれていた。

■大阪航空局は「早急な予算措置は困難」「売却価格からの控除を提案」

今回のメモには、「6.大阪航空局との調整内容」として、こう書かれている。

財務省の報告書より(2018年3月19日)*赤下線は編集部で記入。
財務省の報告書より(2018年3月19日)*赤下線は編集部で記入。
HuffPost Japan

大阪航空局としては、新たに噴出した廃棄物及び建物基礎掘削工事に伴う廃棄物混入土の処理は、所有者責任上、大阪航空局において処理せざるを得ないものと判断している。

しかし、早急な予算措置は困難な状況であるため、売却価格からの控除を提案することで事案の収束を図りたいとの意向を示している。

よって、当局も大阪航空局からの提案を受け入れ、5月末を目処に土地の評価額から廃棄物処理費用を減額した価格提示を行い売却を行う方針で作業を進める。

ただし、鑑定評価額からの廃棄物処理費減額に関しては、大阪航空局からの依頼文書に基づき減額措置を行うこととしている。

今回のメモによると、大阪航空局は新たに見つかったゴミについて「処理せざるを得ないもの」と責任を認識する一方、「早急な予算措置は難しい」と判断。ゴミの撤去費用を差し引き、学園側に国有地を安く売却する方法を近畿財務局に提案した。

近畿財務局側もこの提案を受けいれ、「土地の評価額から廃棄物処理費用を減額した価格提示を行い売却」する意向を示していた。

国有地の値引き額をめぐっては、大阪航空局が見積もったこと。その際、森友学園側の工事関係者から写真や資料の提供を受けて、「ゴミ撤去費」を8億2000万円と算定したこと。近畿財務局が、この金額を国有地の鑑定価格から差し引き、「1億3400万円」で学園側に売却したことなどがわかっている

■業者が証言「ウソの報告書を書かされた」 埋まったゴミを過大報告か

毎日新聞などは3月16日、森友学園側の建設業者が「ゴミが実際より深くにあると見せかけた虚偽の報告書を作成した」と、大阪地検特捜部に証言したと報道。

大阪地検特捜部は、値引きを正当化するために、国や学園側がゴミの量を過大に報告させた可能性もあるとみて、調べを進めている。

注目記事