黒人男性射殺への抗議デモ、現場にいたパトカーがひき逃げ(動画)

被害者は「私がそんなことしたら逮捕されますよ」と語った。
3月30日夜の抗議デモ
3月30日夜の抗議デモ
Justin Sullivan via Getty Images

アメリカ・カルフォルニア州サクラメントで3月31日夜、黒人男性が警官に射殺された事件の抗議デモで、現場にいたパトカーが急加速し、参加者をはねた。

午後8時40分ごろ、デモの現場にいたサクラメント郡保安官事務所のパトカーが急加速し、参加者のワンダ・クリーブランドさんをはねた。その瞬間の動画が公開され、サクラメント郡保安官事務所も事故があったことを認めた。

目撃者は地元紙サクラメント・ビーに、車はそのまま現場から走り去ったと証言した。

腕と後頭部に打撲を負ったクリーブランドさんは病院に搬送されたが、その後退院した。

「運転手は一度も停車しませんでした」と、クリーブランドさんはサクラメント・ビーに語った。「ひき逃げです。私がそんなことしたら逮捕されますよ。人の命をなんとも思ってないのか」

動画を撮影したガイ・ダニロウィッツさんはCNNに、「非常に早いスピードで加速しました。車の周囲に人がいる時、そんなことをしたらいけません」と語った。

■ 保安官事務所「車両が傷つき、ガラスは粉々に」

保安官事務所は4月1日、声明で内部調査を行うと発表した。カリフォルニア州のハイウェイパトロールも調査を進めている。

保安官事務所は声明で、保安官代理が運転する2台のパトカーが抗議デモの現場近くで運転していた時、事故が起きたと述べた。

「保安官代理の1人が運転していた時、路上に出てきた抗議デモ参加者とパトカーが衝突した。パトカーが速度を落として運転していた時に、衝突が起きた」

「一連の出来事が起きている間、保安官事務所の車両は傷つき、へこみ、リアウインドウのガラスは粉々になった。車両の損害は歩行者を巻き込んだ衝突の結果起きたものではなく、群衆の破壊行為が原因である」

ハフポストは保安官事務所の広報担当者にコメントを求めたが、すぐに返答はなかった。

■ クラークさんは背中に7発の銃弾を受けていた

警官に射殺された黒人男性ステフォン・クラークさん(22)は3月18日夜、丸腰なのにもかかわらず自宅の裏庭で銃撃された。2人の警官はクラークさんが持っていたスマホを銃と見間違え、それぞれ10発発砲していた。

警察とは別に行われた検死の結果、クラークさんは背中に7発の銃弾を受け、即死ではなかったことが明らかになった。この結果を受けて、サクラメント市内では抗議デモが激化した。

公民権運動家のアル・シャープトン師は29日、クラークさんの葬儀でこう述べた。

「我々に正義がもたらされるまで、ステフォン・クラークの名前は決して忘れさせない。殺された彼は、私たちの誰かだったかもしれないからだ」

ハフポストUS版より翻訳、編集しました。

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