ユーチューブ銃撃事件でデマ拡散 ⇒「俺は銃撃犯じゃないぞ」憤る声が続出

従業員のアカウントがハッキングされたケースも
銃撃事件が発生したユーチューブ本社
銃撃事件が発生したユーチューブ本社
Justin Sullivan/Getty Images

アメリカのユーチューブ本社で4月3日(現地時間)に発生した銃乱射事件で、容疑者の素性をめぐりデマが多数拡散されている。

アメリカ・カリフォルニア州サンブルーノにある本社で発生した事件の様子が明らかになるにつれて、Twitter上でデマや誤った情報が拡散し始めた。多くの人が銃撃犯の正体を誤って伝えた。著名なユーチューバーのマット・ジャーボさんや、コメディアンのサム・ハイドさんらも容疑者だとツイートされた。

ハイドさんは、テロや銃乱射事件が起きるたびに、容疑者として名前が出てくる

これまでのところ、デマをいくつか見た。銃撃犯と名指しされたのは、サム・ハイド、「頭にスカーフをかぶった女性」、(フェミニスト運動家の)アニタ・サーキージアン、そしてヒラリー・クリントン。こんなバカげた釣りネタを流す奴らは、もっと他にやることはないのだろうか?

はぁ。まいったなあ。

言うまでもないけど、俺は銃撃犯じゃないぞ。

"YouTube本社にある防犯カメラの映像で、黒いTシャツを着てアサルト式ライフルを持った銃撃犯の姿が見える"

これは要注意。バズってるけど、容疑者じゃない。画像は粗いが、サム・ハイドだ。

"サン・ブルーノ警察は銃乱射の容疑者、アニタ・サーキージアンを捜索している。警察によると、彼女はネット動画のホスティング会社YouTubeに対する敵対心から過激化した。彼女いわく、YouTubeは「アッカドのサルゴン」(ユーチューバー)のような右翼の過激派に主張する場を提供しているからだ。"

これは容疑者ではない。アニタ・サーキージアンだ。彼女はゲーマーゲーター(※注)から攻撃の対象になっている。

※注 ゲーマーゲーター:誹謗中傷し、殺害予告や個人情報の暴露、広告主への圧力といった嫌がらせをする男性ゲーマーのこと。2014年に女優や女性ゲーム開発者、女性ジャーナリストに対する攻撃が立て続けに起きたことから「ゲーマーゲート事件」と呼ばれる。

"おお、サンブルーノの銃撃犯の写真が今流出しているぞ。" "速報:YouTube銃撃犯はあるトラッドゾット(保守派の白人女性を指す俗称)と特定された。彼女の動機は現時点で不明だが、武装しており、危険だ。サンブルーノにいるみなさんは屋内に避難することを勧める。"

いや、この人たちも右翼の著名人だ。

BuzzFeedのジェーン・リトヴィネンコ記者は、自身が銃撃犯だと名指しされた投稿を見つけ、Twitter上で偽ニュースが広まったことを報じた

リトヴィネンコ記者は、今回の事件でデマが急激に広まったことを受けて、「今回ほど、これだけのデマが急速に拡散したのを見たことがない。デマが次から次へと現れる」と語った。

"YouTube銃撃犯は、不機嫌そうな(Twitterの)認証マークが付いた人物で、場を白けさせることで有名なジェーン・リトヴィネンコだと特定された。"

私は容疑者ではありません。しかしこの写真だと私のヘアスタイルはきれいに見えますね。

銃撃事件の直後、YouTubeのプロダクトマネジャー、ヴァディム・ラヴルシク氏のTwitter公認アカウントが何者かにハッキングされ、デマや銃撃事件とは無関係のツイートなどを投稿し始めた。なかには、「お願いだ、私の友達を見つけてほしい。銃撃で行方がわからなくなった」と呼びかける投稿もあった。

数時間後、ラヴルシク氏はTwitterアカウントが復旧したと述べた。

誰かがYouTube従業員のアカウントを乗っ取って銃撃についてのツイートをしていた。誰がこんなバカなことをしたんだ。

ハフポストのセバスチャン・マードック記者は3日午後、「YouTubeインターン」を名乗る人物からTwitter上で連絡を受けたと話した。

「銃撃犯に関する情報を持っていると思う」と、そのTwitterユーザーは語った。

SCREENSHOT/SEBASTIAN MURDOCK

マードック記者に接触した直後、そのユーザーは投稿を鍵付きにし、名前を「ジャック・セバスチャン」に変更し、肩書を「YouTube本社インターン」に変更した。

SCREENSHOT/SEBASTIAN MURDOCK

Twitter社は3日、事件直後にデマが拡散したことを認めた。

ジャック・ドーシーCEOは、数多くのガセネタに対して会社として「追跡し、認識し、対策をとる」と述べた。

より翻訳、編集しました。

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