FacebookのザッカーバーグCEO、公聴会で語った4つのこと

「彼らを信じたのは間違いだった」
Leah Millis / Reuters

Facebook(FB)の個人情報が不正に流出した問題で、ザッカーバーグCEOが現地時間4月10日にアメリカ議会上院の公聴会で質問に答えた。

公聴会に先立ち、ザッカーバーグ氏は「Facebookを、全ての人が大事な人とつながる場所にするために、そして世界中でポジティブな力とするために、できる全てのことをします」とFacebookに投稿した。

ザッカーバーグ氏が、ハーバード大学在学中に19歳で始めたFacebookは、いまや20億人が使うソーシャルメディアに成長した。

公聴会ではFacebookの責任を認め、次の4つの点について語った

① 公表しなかった理由は?

イギリスの選挙コンサル会社「ケンブリッジ・アナリティカ」が不正に情報を入手したと分かった時に、なぜユーザーに知らせなかったのかという質問に対し、ザッカーバーグ氏はこう答えた。

「2015年に、ケンブリッジ・アナリティカがアプリ開発業者からデータを購入したと知った時、私たちは行動を起こしました」

「アプリを削除した上で、開発業者とケンブリッジ・アナリティカにデータを削除し、使用しないよう求めました。彼らはそうしたと言いました。しかし今考えると、彼らを信じたのは間違いだった」

「データを削除した」と言われたことで、この件は終わったと思ってユーザーにも連邦取引委員会にも伝えなかったという。

②今後の役割は?

今後Facebookはどう変わるのかと聞かれたザッカーバーグ氏は、良い目的のために使われるための努力をしていくと話した。

「寮で始めたビジネスを、間違いをせずにこの大きさまで成長させることは不可能だと思います」

「最初の10〜12年は、(人々をつなげる)ツールをつくるのが我々の最優先責任だと思っていました。誰もが使えるツールを作れば、それが良いことを実現する手段になると思っていました」

「しかし、データ保護の問題だけでなく、フェイクニュースや外国の選挙介入など多くの問題から、我々にはもっと広い意味での責任があり、積極的な役割を果たす必要があることがわかりました」

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③無料サービスは継続

これからもFacebookを無料で提供するかという質問に対してはこう答えた。

「Facebookは今後も無料バージョンを続けます。私たちのミッションは、世界中の人をつなげる助けとなり、世界を近づけることです。そのために、全ての人が使えるサービスを提供する必要がある」

ビジネスモデルはどうするのかという質問に対しては、「広告収入です」と答えた。

④ Facebookは独占企業?

Facebookが独占的であることと今回の問題を関連づけて、「最大のライバル企業は?」という質問もあった。これに対し、ザッカーバーグ氏は「ライバルはたくさんいる。一つ挙げるのは難しい」と回答。

さらに「Facebookが嫌になったら、それに変わるサービスはあるのか?」「Facebookが独占をしていないと思うのか?」と聞かれたが、ザッカーバーグ氏は否定した。

参加者の反応

公聴会に出席したある議員は「公聴会に来たこと、そして謝罪に感謝します。しかし、ただ謝罪するではなく、変化を起こす必要がある」と、謝罪だけでは不十分だと伝えた

参加者の中には、ロシアのネット荒らしの格好をしたり、「企業スパイをやめろ」というカードを掲げたりして、ザッカーバーグ氏を非難する人もいた。

「ロシアのネット荒らしの格好をした人が公聴会に来た」

公聴会は5時間にも及び、午後7時半前に終わった。11日には下院での公聴会が予定されている。

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