ごみ撤去費めぐる疑惑が次々噴出。今度は値引きありきの見積もり? 森友問題

8億円の値引きを前提に、国がごみの見積量を決めていた疑いが浮上
森友学園が建設を進めていた小学校=大阪府豊中市
森友学園が建設を進めていた小学校=大阪府豊中市
朝日新聞社

学校法人「森友学園」(大阪市)に国有地が格安で売却された問題で、8億円もの値引きの根拠とされた地中ごみの撤去費用をめぐる「疑惑」が深まっている。財務省が学園に対し、撤去について虚偽の説明を求めていたことが発覚したほか、朝日新聞が4月12日、大阪航空局が見積もったごみの量を近畿財務局が増やすよう依頼し、それが撤去費用の増額につながっていたと報じた。

安倍晋三首相や財務省は釈明に躍起だが、問題が収束する気配はない。

この問題をめぐっては、学園が大阪府豊中市に私立小学校の建設を計画。学園は建設用地として国有地を取得したが、この土地の売買をめぐり、8億円もの大幅な値引きがされていた。

値引きは地中に埋まっていた大量のごみを撤去する、という名目だったが、会計検査院はごみの量の見積もりについて、十分な根拠がなかったと指摘。学園側に便宜をはかった疑いが深まっている。

朝日新聞が新たに報じたところによると、土地を所有していた大阪航空局が2016年、ごみの量を積算。学園との売買交渉の「窓口」だった近畿財務局に伝えたところ、逆に財務局から見積もり量を増やすよう依頼されたという。その分量は、値引き額が約8億円になることが前提とされていた。

8億円の値引きありきで国有地が売却された疑いが強まったと言え、財務省や国土交通省の説明責任が改めて問われる形になっている。

ごみの撤去をめぐっては4月9日、財務省理財局の職員が、局長の国会答弁に合わせるため、「トラック何千台も走った気がする」とする虚偽の説明をするよう学園側に依頼していたことも明らかになった。

一連の問題を最初に「告発」した大阪府豊中市議が土地の売買契約書を情報公開請求した際には、ごみの撤去に関する記載がまるごと黒塗りとなっているなど、当初から情報が伏せられてきた。

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