「現実離れ」したプール飛び込み指導で停職6カ月、都立高教員は「反省している」

生徒は首を骨折する大怪我
(写真はイメージ)
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2016年7月14日、都立高校でプールの授業があった。男性教諭(45)の飛び込みの指導を受けていた3年生の男子生徒(18)がプールの底に頭を打ち、首の骨を折った。東京都教委は事故の処分を公表し、男性教諭は4月16日付で停職6カ月となった。

事故はプールの授業中に起きた。保健体育を担当する男性教諭は、手にデッキブラシを持ち、その柄を越えて飛び込むよう生徒に指示した。

ブラシの柄は、プールサイドに立つ教諭の足元から1メートルほどの高さにあった。生徒は水深約1・1メートルと浅かったプールの底に頭を打ち、病院に搬送された。幸い一命はとりとめたものの、首の骨を折り、胸から下は十分に動かない状態になった。

この事故を受けて、東京都教委は飛び込みを原則禁止とする措置を決めた。都教委によると、停職6カ月は懲戒免職の次に重い処分で、事案の重大性や過去のケースを参考に決めたという。

事故当時、都教委内からも「現実離れした指導」という声が上がっていた。2001年に作成された水泳事故防止対策をまとめたリーフレットの中に、「空中高く飛び込む」は危険なスタートに当たる、という例示があったためだ。

都教委は処分が決まるまでに1年以上の時間がかかった理由について「事実確認や聞き取りに、組織として意思決定をするまでに時間がかった」と説明している。

男性教諭は調査に対し「本当に申し訳ないことをした。ご迷惑をかけて、反省しています」と述べているという。都教委は「引き続き再発防止に努めたい」としている。

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