財務省の福田淳一事務次官が辞任表明 “セクハラ発言”報道で「不徳の致すところ」

「更迭」ではなく「辞任」だった。
退庁する財務省の福田淳一事務次官(中央)=16日、財務省 撮影日:2018年04月16日
退庁する財務省の福田淳一事務次官(中央)=16日、財務省 撮影日:2018年04月16日
時事通信社

麻生太郎財務相は4月18日午後6時過ぎ、女性記者への「セクハラ発言」疑惑が取り沙汰されていた財務省の福田淳一事務次官の辞任を発表した。更迭ではなく「本人からの申し出」を受け、辞任を認めたと明らかにした。

福田氏は18日午後7時前に記者団の取材に応じた。

冒頭、福田氏は以下のようにコメントを発表した。

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週刊誌に掲載された私に関する記事については、事実と異なるものと考えており、裁判の中で引き続き争って参りたいと考えています。

他方、財務省が厳しい状況に陥っている中で、さらに私のことでこのような報道が出てしまったこと自体が、不徳の致すところであります。

また、報道後の現状を鑑みると、財務事務次官としての職責を果たすことが困難な状況と私自身が考え、先ほど麻生財務大臣に対して辞職を申し入れました。麻生大臣からはご了解をいただいたところであります。私のことでご迷惑をおかけしたすべての関係者の方にお詫び申し上げたいと思います。

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■4月12日発売の「週刊新潮」がセクハラ疑惑を報道

福田氏をめぐっては、4月12日発売の「週刊新潮」がセクハラ疑惑を報道。辞任や更迭を求める声が高まっていた。福田次官は財務省の調査に対して「自分の声かわからない」「女性記者とやりとりはない」などと全面否定していた。

財務省は16日、該当する女性記者からの調査協力を財務省の記者クラブに求めていたが、こうした対応について批判の声が高まっていた

日本新聞労働組合連合(新聞労連)は4月18日に声明を発表。「被害者本人」に名乗り出るよう求める手法について、「事を荒立てるな」などと忍耐を強いるのは「セクハラ容認と同じ」だとして、報道各社にも毅然とした対応を求めた。

弁護士の寺町東子さんはハフポスト日本版の取材に対して、「セクハラを申告した記者個人を矢面にたたせることになる」と指摘。同時に、組織として対応しない報道機関の「安全配慮義務違反」を指摘していた。

財務省事務次官が任期途中で辞任するのは、1998年に旧大蔵省で接待汚職事件が発覚した時以来、20年ぶり。

財務省をめぐっては、森友学園をめぐる決裁文書の改ざんやセクハラ疑惑の報道など不祥事が相次いでおり、麻生財務相の責任を問う声もくすぶっている。

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