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2018年04月21日 13時11分 JST | 更新 2018年04月21日 14時51分 JST

野田総務相「落選中にセクハラ受けた経験」語る なぜ踏み込んだ発言を続けるのか

「卑屈にならなくても等身大の私を応援してくれる人たちが大勢いるので、そういう告白もできる」

閣議後に記者会見する野田聖子総務相=20日、首相官邸
時事通信社
閣議後に記者会見する野田聖子総務相=20日、首相官邸

福田淳一・財務省事務次官によるセクシャル・ハラスメント疑惑が明らかになって以降、野田聖子総務相が踏み込んだ発言を続けている。財務省の対応を「違和感がある」と批判したのを皮切りに、自身のセクハラ体験を明らかにしたり、マスコミで働く女性たちとの懇談の場を設ける考えを示したりしている。問題意識はどこにあるのか。ここ数日の発言を振り返る。

女性活躍担当相を兼ねている野田総務相が、福田事務次官のセクハラ疑惑を巡る財務省の対応への「違和感」に言及したのは、16日、記者団への発言だった。

相当やり方に違和感がある。女性のセクシュアルハラスメントの被害は、それをなかなか訴えられないということもセクシュアルハラスメントの問題の一つ。『自分だったら(被害者だと名乗りでることが)できる?』という話ですよね。私も何か考えていかないといけないと思っている」(朝日新聞デジタル

翌17日の閣議後会見でも。財務省が報道各社の女性記者にセクハラ被害の情報提供を求めたことについて「引き続き違和感がある」と批判を続け、菅官房長官と麻生財務相にも自身の考えを伝えたことを明らかにした。

私も最初聞いた時に、当事者、事務次官の部下である官房長からそういう(調査への協力要請の)お話があっても、被害者にしてみると、相手側の人という認識がありますから、家族にでもなかなか言いづらい中にあって、関係者に、相手にその話をするというのはなかなか、私個人でも難しいのではないかと思っています

福田次官が絶対に(セクハラを)否定している中で、私たちがやるべきことは、被害者の保護。それをしっかり守るために、ややもするとこういう事案というのは女性が名乗り出たことで、セカンドレイプという形で様々な被害に遭うことがあることを踏まえて、慎重に取り組んでいきたいと思います

今回はマスメディアの皆さんが他人事と思わず、皆さんがある意味、受け皿を作っていただいて、これまでセクハラに類する嫌なことがあったと思う。それを打ち明けられて、支えてもらえる場所というのを是非同業の皆さんが自分のこととして作り上げていただきたいなという気持ちも、一方あります」(総務省の会見録

続く18日の衆議院内閣委員会では大河原雅子議員(立憲民主党・市民クラブ)の質問に対し、「違和感がある」理由を改めて説明するとともに、自身のセクハラ体験も告白した。

私も実は20代の頃、選挙に落ちて日々活動してい中、当時はセクハラという言葉はなかったけれども、ほぼ慢性的に男性から性的な高圧的な嫌がらせを受けてきました。落選中というのは選挙に勝たなければならないということで、候補者にとって有権者は上位の人たちであり、そういうことを言われても、仕事のためということで我慢せざるを得なかった、自分の苦しい思いが実はあります」

その経験を踏まえ、野田総務相は財務省の調査を「二次被害の可能性があり、(被害者にとって)非常にハードルが高いもの」と批判した。朝日新聞デジタルによると、閣僚が国会でほかの省庁を批判するのは異例という。

20日の閣議後の会見では「メディアで働く女性たちからの様々な声が寄せられている」として、「取材源との関係から、社内でもセクハラ被害から女性記者が守られにくいといった指摘や、夜討ち朝駆けといった取材方法を含め、女性が本当に活躍できる環境になっていないのではという声があった。メディアで働く女性が抱える困難や課題について、実際に新聞や放送といった世界で働いている女性の生の声をしっかり聞いて政策に生かしたい」と、女性記者たちと近く懇談の場を持つと発表した。

さらに「これは女性だけではないと思います。男性の皆さんにとっても、夜遅く何時間も帰らない人を待っているということが生産的なのか。ご自身にとっても幸せなことなのか、本当にマスメディアにとって重要なことなのかということも、今まさに当たり前化してしまって、常態化してしまっていることだけど、原点に立ち返って、男女問わず考えていければなと思っています」と締めくくった。

21日の共同通信のインタビュー記事では、衆議院内閣委員会で明かした落選中のセクハラについて改めて振り返っている。

有権者にそんなつもりはないのかもしれないが、その人の1票が自分の将来に影響するとなると、自分が有権者より下の立場という意識を持つようになる。そして我慢してしまう。親にも言えなかったし、後援会の人に訴えても『勝つために我慢しろ』と言われた。記者と次官の場合も、どっちが上かは誰でも分かる。上に立つ人は、自分が上に立っているという自覚を持つ必要がある

私も今だから言える。卑屈にならなくても等身大の私を応援してくれる人たちが大勢いるので、そういう告白もできる。もし渦中であれば、もし私の立場が組織の中で弱ければ明らかにできないはず。私がそうだった