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2018年05月10日 14時45分 JST | 更新 2018年05月10日 17時06分 JST

【速報】蓮舫氏、柳瀬氏に「あなたの記憶は自在なのか」

首相と加計理事長は親友と認識 一方で報告はせず

朝日新聞社
衆院予算委で、自民党の後藤茂之氏の質問に答弁する柳瀬唯夫・元首相秘書官=10日午前9時2分、岩下毅撮影

【速報】蓮舫氏、柳瀬氏に「あなたの記憶は自在なのか」

■学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、柳瀬唯夫・元首相秘書官(現経済産業審議官)らが、衆参両院の予算委員会に参考人として招致されました。タイムラインで報じるとともに、特別報道部だった昨年からこの問題を取材している政治部の星野典久記者が解説しました。

■柳瀬氏「アポ断らない」 危機管理大丈夫?

○寸評(星野記者) 柳瀬唯夫・元首相秘書官は2015年4月2日に加計学園幹部と首相官邸で面会したことを認めた際、「政府の外(そと)の方からのアポイントの申し入れに対しては、時間が許す限りお受けするように心がけていました」などと説明しました。

 柳瀬氏は「よっぽど反社会的勢力であるとかそういうことを別にすれば」とも述べましたが、これではかなり広範囲の人と面会ができてしまうことになります。私が官邸クラブに所属して取材していたとき、ドローンが許可なく官邸の屋上に飛来したことがありましたが、通常、人の出入りについて官邸の警備は厳重です。記者であっても入廷には特別な登録カードが必要。柳瀬氏とならば誰もが面会ができるようでは、首相官邸としての危機管理が心配になってしまいます。

 また、陳情のために面会した場合、柳瀬氏側はメモや入廷記録を取らず、来訪者側だけがメモを取るような状態で、柳瀬氏や安倍首相はトラブルに巻き込まれないのでしょうか。お願いする側のこちらが心配になってしまいます。

 「実際、私は総理秘書官時代、物理的に日本にいないとか、物理的に時間がないということはあったかもしれませんが、私が動いている限りはアポイントの申し入れをお断りしたことはございません」とまで言い切った柳瀬氏。ある野党幹部は「全国の自治体に、首相秘書官に会いたければ会ってくれるそうですよって呼びかけたいね」と皮肉りました。公務員としての危機管理意識は大丈夫でしょうか。

■愛媛文書の誤解指摘するなら、現知事招致を

○寸評(星野記者) 午後の参院予算委員会では、愛媛県の加戸守行・前知事と委員との間で、加計学園の獣医学部新設をめぐる愛媛県文書の信用性について質疑が交わされました。首相官邸での面会時、柳瀬唯夫・首相秘書官(当時)が「首相案件」と述べたと県職員が記録した文書です。

 自民党の塚田一郎氏は「総理の看板政策としての重要案件だ、という発言を仮に柳瀬さんがされた場合、『首相案件』という言葉に置き換わってメモが取られたと言うことはありうるか」との問いに対し、加戸氏は「その可能性は高い」と言い切りました。その上で「総理がさばくことになるというようなニュアンスのご発言を受け止めたのが、『首相案件』という言葉になったのかな」と、自身の見立てを披露しました。

 愛媛県側が記録した文書に誤解があったのではないかという指摘ですが、直後の立憲民主党の蓮舫氏による質問に対し、当事者である柳瀬氏も「口頭説明用の個人の備忘録と言うことでしたが、それがあちこちに配られ、マスコミに出て、信用力が高まるというのはとっても変な話だ。片方はメモをとって、片方がメモをとらなければ、メモをとった方が常にこうだと後で言えるのは、さすがにおかしい」と疑問符を付けました。

 これにはすかさず蓮舫氏が、「さすがにおかしいのは、あなたの記録と記憶が全部ないことですよ。愛媛県の中村時広知事は職員が文章をいじる必要性は全くないと会見で言っている。愛媛県がウソを書いているのですか」と一喝。柳瀬氏は「私が申し上げているのは、私が記憶がないということを申し上げて、愛媛県がどうかということを申し上げているつもりは毛頭ございません」と慌てて否定しました。

 加戸氏の参考人招致は与党側の要求で実現しました。今治市が特区に選定された時の愛媛知事は現職の中村時広氏です。当事者の一人である中村知事が、県職員が国会に招致された場合は自らが応じる考えを示しているにもかかわらず、なぜ与党側はわざわざ前知事を呼んだのか。加戸氏や柳瀬氏が愛媛県側の文書に誤解があるというのであれば、中村知事を国会招致してその認識を問う必要があると思います。

■参院の参考人招致終わる 野党は引き続き追及へ(15:25)

 加計学園の獣医学部新設をめぐり、柳瀬唯夫・元首相秘書官らを参考人招致した参院予算委員会は午後3時25分、散会した。柳瀬氏は2015年に学園側と首相官邸で3回にわたり面会したと明かした一方、「優遇したことはない」と繰り返した。

 野党は「加計ありき」で計画が進められたのではないかと柳瀬氏を追及したが、柳瀬氏は全面的に否定。首相の指示も認めなかった。野党議員たちは安倍晋三首相の友人である加計孝太郎・加計学園理事長の証人喚問を要求。愛媛県の文書に柳瀬氏が「首相案件」と述べたと記されていることから、中村時広知事ら愛媛県関係者の参考人招致を求める意見も出た。

 14日には安倍晋三首相が出席する衆参予算委員会の集中審議が開かれる見通し。この日の質疑を踏まえ、野党は首相への追及を強める構えだ。

■恩恵受ける側の正当性主張、客観性に乏しい

○寸評(星野記者) 愛媛県の加戸守行・前知事は、今治市への獣医学部誘致の旗振り役でした。今治市商工会議所の特別顧問として2016年9月、国家戦略特区に関する分科会のヒアリングで獣医学部の必要性について訴えたほか、昨年の国会答弁では「愛媛県にとっては加計ありきで来た」と述べていました。

 今年4月、岡山理科大獣医学部の入学式では「岩盤規制を突破して(新設が)認められた。そんな意味では、魔法にかけられることで出産した獣医学部。昔から難産の子は立派に育つと言われる」とあいさつし、加計学園による獣医学部新設の正当性を主張しました。

 きょうの質疑では、自民党の塚田一郎参院議員が、この「魔法」発言の意味を尋ねました。すると加戸氏はこんなふうに答えました。「四角の帽子とマントを着せられたものですから、(映画)『ハリー・ポッター』の魔法の学校に出ているような気がして、連想で魔法という言葉を思いついた。(特区ワーキンググループの議事録で見た)民間委員の魔法の発言で、やっと困難な道が開いて今日につながったという意味だった」。改めて、獣医学部誘致の正当性を主張した形です。

 確認しますが、今回の焦点国家戦略特区の事業者選定が正当なプロセスで行われたか、にあります。加戸氏はワーキンググループの委員でも諮問会議の議員でもなく、特区を選定する立場にもなく、あくまでも「選定される」側。選定する側の人間から特別に教えてもらわない限り、そのプロセスを詳しく知ったり証言したりすることはできません。

 また、規制緩和の恩恵を受ける立場の人が正当性を主張するのは当然です。午前中の八田氏と同様、与党が参考人として人選した加戸氏ですが、その証言は客観性に乏しいと言わざるを得ないのではないでしょうか。

■蓮舫氏、柳瀬氏に「あなたの記憶は自在になくし、思い出すのか」(13:55)

 加計学園問題をめぐる参院予算委員会で、立憲民主党の蓮舫氏が柳瀬唯夫・元首相秘書官に鋭く切り込んだ。蓮舫氏は冒頭、「あなたの記憶は自在になくしたり思い出したりするものなのですか」と挑発。柳瀬氏が「私が記憶を調整していることは全くない。一貫して今治市や愛媛県の方とお会いした記憶はないし、加計学園やその関係者とお会いした記憶はある」とぶぜんとした表情で反論。すると、蓮舫氏は「違う」と一喝した。

 昨年7月、柳瀬氏は国会質疑で今治市職員と面会したかを問われた際、「記憶にない」と繰り返した。学園関係者との面会についても、朝日新聞の取材に「記憶にない」と答えていた。蓮舫氏の指摘の通り、「一貫」はしていない。

 蓮舫氏は「(国会で)聞かれていないから言っていないというだけだ。不誠実ではないか」と断じられ、柳瀬氏は「一つひとつに答え、結果的に全体像が見えにくくなった。国会の議論を混乱させ、深くおわび申し上げたい」と陳謝せざるを得なくなった。

■加戸前知事「柳瀬氏会合でのアドバイス、認可につながり感謝」(13:30)

 愛媛県の加戸守行・前知事は参院予算委員会で、同県今治市への獣医学部新設をめぐる2015年4月2日の柳瀬唯夫・元首相秘書官と加計学園関係者らとの面会について、「この会合でアドバイスをいただいたことが獣医学部の認可に結果的につながった点で、私は感謝申し上げたい」と述べた。自民党の塚田一郎氏への答弁。

 面会には同県職員も同席し、柳瀬氏が「首相案件」と述べたとする文書を県が作成した。柳瀬氏自身はこの発言を否定しており、塚田氏がこの食い違いについて尋ねたところ、加戸氏は「総理がさばくというニュアンスの発言を受け止め、『首相案件』という言葉になったのではないか」との見方を示した。ただ、加戸氏は面会前の10年に知事を引退している。

■首相と加計理事長は親友と認識 一方で報告はせず(13:15)

 柳瀬唯夫・元首相秘書官は参院予算委員会で、獣医学部新設をめぐる加計学園関係者との首相官邸での面会について、「優遇してくれという話もなかったし、優遇したこともない」と述べた。自民党の塚田一郎氏への答弁。

 柳瀬氏は「私は役人の机上の空論にならないよう、外の人と会うように努めてきた。その一環として加計学園からアポイントがあり、面会した」と釈明。安倍晋三首相と学園理事長が親友だとの認識はあったとした上で、自らの面会について「総理に報告し、指示を受けたことはない」と述べた。

■加計学園側の発言、議事録から消えたのは不自然

○寸評(星野記者) 八田達夫・国家戦略特区ワーキンググループ(WG)座長の答弁については、もう一つ疑問があります。

 柳瀬唯夫・元首相秘書官が加計学園関係者と面会した約2カ月後の2015年6月5日、八田氏が座長を務めるWGによるヒアリングが行われました。内閣府が発表した議事要旨や議事録によると、ヒアリングに参加したのは今治市や愛媛県の担当者のみとなっていますが、実は加計学園関係者が出席しており、教員確保の見通しなどについて発言していたことも明らかになっています。

 加計学園関係者の同席について、八田氏は「説明補助者」と位置づけ、「説明補助者は参加者と扱っておらず、説明補助者名を議事要旨に記載したり、公式な発言を認めたりしたことはない」と説明しています。

 柳瀬氏はきょう午前の質疑で、加計学園関係者と会ったことを認める一方、愛媛県や今治市の職員については「同席していたかも」とあいまいに。しかしWGによるヒアリングの議事要旨や議事録には愛媛県の発言だけが残り、加計学園の発言が消えているのです。今治市は一言も発していないことになっています。事業を提案した関係者が現れたり消えたり。どこか不自然な印象が残ります。

 WGの運用は誰がどのような権限で決めたのでしょうか。内閣府は、八田氏が座長権限で決めたと説明しているのですが、それでは八田氏の一存で恣意(しい)的に運用することも可能になってしまいます。加えて、諮問会議やWGの民間議員、委員らの起用過程や理由も明らかにされていません。このような運用で特区選定の公平性と透明性は十分に確保できるのでしょうか。

■午後の参院予算委スタート 蓮舫氏らが質問へ(13:00)

 加計学園問題をめぐり柳瀬唯夫・元首相秘書官らを参考人招致する参院予算委員会は午後1時、開会した。獣医学部誘致を推進してきた加戸守行・前愛媛県知事も与党の要求で招致されたが、野党側は柳瀬氏に絞って追及する。

 午前の衆院予算委の質疑で柳瀬氏は「首相案件」と述べたことを否定しつつ、学園側と首相官邸で3回にわたり面会していたことを認めた。野党は「加計ありき」で計画が進んでいたとみて、柳瀬氏を問いただす構えだ。

 1時半ごろ、民進党で疑惑解明を担ってきた国民民主党の川合孝典氏が質問に立つ。1時50分から立憲民主党の蓮舫氏、2時55分からは社民党の福島瑞穂氏と、厳しい追及を持ち味とする女性弁士2人も登場する予定。

■柳瀬氏、加計幹部との面会時「全くメモ取ってない」

○寸評(星野記者) 柳瀬唯夫・元首相秘書官(現経済産業審議官)は午前の衆院予算委員会で、加計学園の獣医学部新設をめぐり、2015年4月2日に加計学園幹部らと面会した際、「全くメモを取っていません」と述べました。立憲民主党の長妻昭氏への答弁。

 また、自民党の後藤茂之氏から「名刺交換したのか」と問われると、「多くの方とお会いするために交換した名刺の中で保存するのは、まあ、ごく一部でございます」と答弁しました。

 一般の社会では大事な商談の場合、メモを取ることもあると思います。いただいた名刺は、いつまた連絡を取る必要が生じるのかわからないので、しばらく保存している方も多いと思います。

 柳瀬氏は首相の代理を務めることもある「首相秘書官」です。メモを取らずにいて、首相に正確な報告ができなかった場合には国益を損なうことにもなりかねません。「普段から失礼にならないように、自分から名を名乗って名刺交換するように心がけています」と話していましたが、それほどこまやかな心遣いをする方が、相手を選んで名刺をふるいにかけるようなことをするのでしょうか。

 橋本龍太郎首相の秘書官を務めた経験がある江田憲司衆院議員(無所属)は、質疑を終えた後、記者団に対し「総理に累が及ばないように、一切指示もなければ報告もしなかったという答弁だったが、全く首相秘書官の仕事の常識に反する」と指摘。「首相秘書官は奥の院の黒衣。側近中の側近で一心同体だ。黒衣は普通、外部の人と会わない」と自らの経験を交えて述べました。秘書官の先輩として、柳瀬氏の説明が秘書官の振る舞いにそぐわないとの認識を示しましたが、柳瀬氏の答弁が変わることはありませんでした。

■共産・志位氏「柳瀬氏の行為自体が『首相案件』」(12:00)

 共産党の志位和夫委員長は記者会見で、加計学園の獣医学部新設をめぐり柳瀬唯夫・元首相秘書官が首相官邸で学園側との3回にわたる面会を認めたことについて、「柳瀬氏は『首相案件』と言ったことは認めなかったが、行為自体は『首相案件』として取り扱われ、『加計ありき』だったと示された」と指摘した。

 志位氏は「総理の分身である秘書官が3回も(安倍晋三首相に)一切指示も仰がず、報告もしないことはありえない」と強調。「柳瀬氏は証人(喚問)で国会に来ていただく必要がある。加計、愛媛県の関係者も来ていただき、真相を究明する必要がある」と述べた。

■石破氏「疑問が完全に払拭されたとは思わない」(11:25)

 加計学園の獣医学部新設について質疑が交わされた衆院予算委員会が終わり、自民党の石破茂元幹事長は「加計学園だけが特別扱いされたのではないのかという疑問が完全に払拭(ふっしょく)されたかというと、あまりそういう思いはしなかった」と記者団に述べた。

 委員の一人として与党席でやりとりを聞いた石破氏は「疑念を完全に払拭することは(安倍晋三)総理の指示であったわけだから、なかなかその目的は完全には達せられなかったのではないか」とも述べた。

■安倍首相「柳瀬氏は誠実に答え、全てを明らかにしてもらいたい」(11:15)

 安倍晋三首相は午前11時15分、加計学園の獣医学部新設をめぐる衆院予算委員会の質疑について「予算委員会については私は見てはいないが、柳瀬(唯夫)元秘書官は誠実に答え、全てを明らかにしてもらいたいと思う」と述べた。トランプ米大統領との電話協議を受けて首相官邸で記者団の質問に応じた際、答えた。

 首相は「獣医学部の問題は国家戦略特区の民間議員のみなさんが『一点の曇りもない』と言っている。『曇りもない』と既に私も言っている」とも述べ、手続きに問題ないとの認識を重ねて強調した。

■問題の時期は「決定のプロセス」前 八田氏は当事者なのか

○寸評(星野記者) 政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)座長の八田達夫氏は今日の答弁で、国家戦略特区について「各省庁や業界の権益と結びついた規制の改革を目的としている」とし、岩盤規制を突破するとの姿勢を強調することで、獣医学部新設の正当性を主張しました。

 ただ、いま問題になっているのは獣医学部新設の是非ではありません。その規制改革を行う事業者選定の手続きがゆがめられていなかったか、が焦点です。

 八田氏はその事業者選定の経緯について、これまでの国会答弁では一貫して「決定のプロセスには一点の曇りもない」と強く主張してきました。ここはよく考えてみないといけません。問題になっている2015年4月2日の加計学園幹部による首相官邸訪問というのは、今治市や愛媛県が国家戦略特区に正式に手をあげる約2カ月前になります。WGや諮問会議など「決定のプロセス」に乗せる前の話です。つまり八田氏はこの時点では直接の当事者とは言えず、面会の正当性を評価できる立場ではないのではないでしょうか。

■衆院の参考人招致終わる 午後は参院(11:21)

 加計学園の獣医学部新設をめぐり柳瀬唯夫・元首相秘書官らを参考人招致した衆院予算委員会は午前11時21分、散会した。

 柳瀬氏は2015年4月の学園幹部との首相官邸での面会を初めて認めた。愛媛県や今治市の職員の同席は「いたのかもしれない」と述べるにとどめた。面会で「首相案件」と述べたかについては「獣医学部新設の解禁は、総理が早急に検討していくと述べている案件である、という趣旨は紹介したように思う」と説明。野党議員は「加計ありき」で計画が進んできた可能性を追及した。

 午後1時からは参院予算委でも柳瀬氏らの参考人招致が始まる。

■柳瀬氏、朝日新聞の昨年8月の取材「よく覚えていない」(11:00)

 柳瀬唯夫・元首相秘書官は衆院予算委員会で、昨年8月の朝日新聞の取材に対し、加計学園幹部との面会を「記憶にない」と答えていたことについて、「よく覚えていない」と釈明した。朝日新聞はこのコメントを紙面で報じた。柳瀬氏は「(取材は)歩きながらで、向こうの話もよく聞き取れなかった」と述べ、「国会で話した枠で話すのが筋だと思った」と当時の思いを説明した。共産党の宮本岳志氏への答弁。

 野党は柳瀬氏の面会の事実を認めるよう政府・与党に迫ってきた。宮本氏に「なぜ放置したのか」と問い詰められ、柳瀬氏は「国会で呼ばれれば説明しようと思った」と述べた。

■国民民主・今井氏「最初からシナリオできてるな」(10:48)

 国民民主党の今井雅人氏は、柳瀬唯夫・元首相秘書官への質問を終えた後、国会内で記者団に「差し障りのないところは認めて、(安倍晋三)総理が関与していると思われるようなところに関しては記憶がないとか言ってごまかしている。最初からそういうシナリオできてるな、と感じた」と述べた。

 柳瀬氏は、加計学園側と首相官邸で3回にわたり面会したことを認めたが、「事業の主体は加計学園なんですよ。今治市はついていっているだけ。これはもう加計学園ありきと思わざるを得ないと、ますます確信を深めた」と述べ、加計孝太郎理事長の国会招致を要求するなど、引き続き問題を追及していく姿勢を強調した。

■八田氏の答弁、朝日新聞のインタビューと食い違い

○寸評(星野記者) 与党の質問に対して答弁した八田(はった)達夫氏は、政府の国家戦略特区のワーキンググループ(WG)座長を務めています。WGは民間人から選ばれた委員で構成され、具体的な提案について特区にふさわしいかどうかを最初に検証、判断する機関です。その結果が各区域ごとの「国家戦略特別区域会議」や、首相が議長を務める「国家戦略特区諮問会議」などの上部組織に持ち込まれ、最終決定されます。提案者がプレゼンテーションできる場でもあり、特区認定の最初の関門にして、詳細な検討が行われる数少ない場です。

 さて、そのトップである八田氏は、手元に用意した文章を長々と読み上げたため、自民党議員との質問時間5分の中でやりとりは1回しかありませんでした。ヤジも飛ぶ中、声が震え、聞き取りにくいところもあった答弁では、「総理からも、また秘書官からも何の働きかけも受けたことがありません」と述べました。

 また、八田氏は獣医学部新設を一校に限定した理由について、「(日本)獣医師会が政治家に圧力をかけて、何も通らないよりは1校でも通ればやむを得ないだろうという判断」と説明しました。朝日新聞が昨年3月、八田氏にインタビューした際は「両方とも推したら、具体的に京都とここ(愛媛県今治市)だけども、今の政治的状況ではぽしゃるかもしれんという風な判断を聞いて......」と説明していました。「両方とも推したらぽしゃる」という判断を誰から聞いたのか尋ねると、八田氏は同席していた内閣府の藤原豊審議官(当時)を指して「彼から聞いた」と答え、藤原氏は「政府内での議論です」と応じました。当時のインタビューでの八田氏の発言と、今日の国会答弁には食い違いがみられます。

■江田氏、後輩柳瀬氏に「あなたは1年生の時、青雲の志持っていた」(10:40)

 「柳瀬さん、ごぶさたしています。あなたが1年生で入ってきた時、青雲の志を持っていた」――。衆院予算委員会で、旧通産省(現経産省)出身の江田憲司氏(無所属)が「後輩」の柳瀬唯夫・元首相秘書官(現経済産業審議官)をたしなめる一幕があった。

 江田氏が「国民の利益を考えて答弁してください」と呼びかけると、柳瀬氏は首を数回縦に振って応じた。だが、江田氏が自らの役人経験を踏まえて「許認可や補助金の対象となる事業者(加計学園側)と会うのがいかに異例か。その常識を覆して会ったのは、首相や首相秘書官の指示があったとしか考えられない」と断じたのに対し、柳瀬氏は「指示はまったくない」と努めて短く反論した。

 加計側との面会について「総理には報告していない」と繰り返す柳瀬氏に対し、江田氏は「口にばんそうこうでも貼らない限り(ないこと)」とあきれたように応じた。

■「国会のやりとり承知せず」柳瀬氏発言に、野党ヤジ(10:20)

 柳瀬唯夫・元首相秘書官(現経済産業審議官)は衆院予算委員会で、加計学園の獣医学部新設をめぐる2015年4月の学園側との面会をこの日まで認めてこなかった自らの対応について、「国会のやりとりは承知していなかった」と述べた。昨年来、面会の事実確認を政府・与党側に求め続けてきた野党議員たちからは一斉にヤジが飛んだ。

 国民民主党の今井雅人氏が「なぜ『会っていた』と政府に説明しなかったのか」と質問。柳瀬氏は昨年7月に面会を否定した自らの国会答弁について「(加計学園ではなく)今治市職員と会ったかを聞かれ、記憶にないと答えた」と強調した。その後、野党は事実解明のため、学園関係者と面会したかどうかの確認を求めてきたが、柳瀬氏は「国会から答弁するようにという要請はいただかなかった」と述べた。(斉藤太郎)

■秘書官の仕事「首相の目や耳」だが...面会報告否定

○寸評(星野記者)柳瀬唯夫・現経済産業審議官は、加計学園幹部が官邸を訪れたとされる2015年4月2日当時、首相秘書官を務めていました。昨年7月の衆院予算委員会では「今治市の方にお会いしたという記憶はございません」と答弁。加計学園幹部が同席していたかどうかについても翌8月、朝日新聞の取材に「記憶にない」と答えていました。

 きょうの衆院予算委では一転、加計学園幹部との面会を認めた形です。今年4月に明らかになった愛媛県文書に「首相案件」と発言したと記されたことについては、「そもそも私は首相という言葉を使わないので違和感がある。違う形で伝わったのではないか」と述べ、首相からの指示を否定しました。

 では、なぜ、なんのために加計学園幹部と官邸で面会したのでしょうか。柳瀬氏は「政府の外の方からのアポイントの申し入れに対しては、時間が許す限り、お受けするように心がけておりました」と説明しましたが、国家戦略特区関係の事業者で面会したのは加計学園だけだったことがわかりました。

 そもそも一私学関係者と首相秘書官が官邸で面会することは異例なことです。しかも相手は特区制度を利用した獣医学部新設を目指す利害関係者でもあります。さらに、今治市と愛媛県が国家戦略特区に正式に手を上げる約2カ月前というタイミングです。

 首相秘書官は、首相の目や耳、手や足となって、多忙極まる首相の執務を補佐するのが役目です。仮に首相の指示がなかったとしても、面会の事実を伝えるのも大事な仕事のはず。安倍晋三首相はこの面会のわずか5日後の4月7日、都内ホテルで加計学園の加計孝太郎理事長が主催する花見の会への出席が予定されていました。ましてや首相の40年来の親友が理事長を務める学園が相手。柳瀬氏はきょうの答弁で首相への報告を否定しましたが、これでは秘書官の仕事を全うしたとは言えません。「(首相に)全く報告していない」という説明には違和感を覚えます。

 また、きょうの質疑ではもう一つ大きな疑問が生じました。今治市が市民の情報開示請求に応じて公開した公文書で、今治市職員は面会前日の4月1日になって急きょ予定が変更し、官邸訪問の日程が追加されたことがわかっています。柳瀬氏は「加計学園側から事前に面会の申し入れがあった」と説明しましたが、同行予定の今治市には誰も事前に連絡をしなかったのでしょうか。

 野党側の追及でどこまで真相に迫れるか。今後の質疑からも目が離せません。(星野典久)

■柳瀬氏、加計学園側との面会「官邸で3回、覚えている」バーベキューも(09:50)

 柳瀬唯夫・元首相秘書官(現経済産業審議官)は衆院予算委員会で、加計学園の獣医学部新設をめぐり、2015年4月のほか、その前と後の計3回、加計学園側と首相官邸で面会したことを認めた。「官邸で会った3回は覚えている。それ以外は覚えていない」と述べた。立憲民主党の長妻昭氏への答弁。

 さらに柳瀬氏は、官邸以外で会ったことはあるかと聞かれると、安倍晋三首相が自らの別荘に友人らを招いたバーベキューの際に加計学園の理事長と事務局長に会ったことも認めた。「それ以外に会ったかどうかは覚えていない」と答弁した。

 「ゴルフを一緒にしたか」と聞かれた柳瀬氏は、「総理がやっておられるパーティーの後ろのほうで、秘書官たちでついていった」。かかった費用については「総理側のご負担だと理解している」とも述べた。

 また、柳瀬氏は「私の(関係者との面会を否定した過去の)答弁をきっかけに(国会審議に)迷惑をおかけし、与野党におわび申し上げたい」と陳謝した。

■野党の質問始まる 審議拒否から「疑惑解明」に転換(09:47)

 加計学園問題をめぐる衆院予算委員会での柳瀬唯夫・元首相秘書官の参考人招致は午前9時47分、野党議員による質問時間に移った。大型連休明けに国会での審議拒否戦術を解除し、論戦による政権追及に転じた野党にとって、この質疑が「疑惑解明月間」(立憲民主党の辻元清美・国会対策委員長)の幕開けとなる。自民、公明両党の質疑に比べ、厳しいやりとりが展開されそうだ。

 野党のトップバッターはちみつな追及に定評がある立憲の長妻昭氏。橋本内閣で首相秘書官を務めた無所属の江田憲司氏、加計問題をフィールドワークにしてきた国民民主党の今井雅人氏や共産党の宮本岳志氏のほか、日本維新の会の井上英孝氏が質問に立つ。

■八田氏「総理からも秘書官からも働きかけない」(09:40)

 政府の国家戦略特区ワーキンググループの八田達夫座長は衆院予算委員会で、加計学園の獣医学部新設の特区認定について「(安倍晋三)総理からも(当時の柳瀬唯夫首相)秘書官からも何の働きかけも受けたことはない。獣医学部新設は岩盤規制の中でも最重要案件と考えていた」と述べた。自民党の後藤茂之氏への答弁。

 八田氏は緊張からかペーパーを声を震わせながら読み上げ、後藤氏の質問の持ち時間が迫っても答弁を続けた。河村建夫・予算委員長(自民)に答弁を終えるよう指示され、早口で特区認定に関する首相による特別な関与を否定した。

■柳瀬氏、首相案件「違う形で伝わったのでは」(09:17)

 柳瀬唯夫・元首相秘書官(現経済産業審議官)は衆院予算委員会で、加計学園の獣医学部新設をめぐり自らが学園幹部や愛媛県職員らに「首相案件」と発言したとされる愛媛県の文書について、「そもそも私は首相という言葉を使わないので違和感がある。違う形で伝わったのではないか」と否定した。自民党の後藤茂之氏への答弁。

 柳瀬氏は学園幹部らとの面会について「(安倍晋三)総理に報告したこともない。話が出た覚えもない」と強調。民間有識者から獣医学部新設の解禁について提案があったことを踏まえ、「解禁は総理が『早急に検討』と述べている案件として(面会で)伝えた」と説明した。

■柳瀬氏、加計学園と面会 「愛媛県や今治の方 記録ない」(09:03)

 柳瀬唯夫・元首相秘書官(現経済産業審議官)は衆院予算委員会で、加計学園の獣医学部新設をめぐり、2015年4月に首相官邸で学園幹部と面会したことを認めた。愛媛県や今治市の職員の同席については「10人近くの随行者の中にいたかもしれない」と述べた。柳瀬氏はこれまで、面会自体を「記憶にない」と否定してきた。自民党の後藤茂之氏への答弁。

 柳瀬氏は「加計学園事務局から面会の申し入れがあった。おそらく4月2日だと思うが面会し、獣医学教育に関し国家戦略特区制度の活用を検討しているという話があった」と答弁。「随行の中に愛媛県、今治市の方がいたのかの記録は残っていない」と述べた。

■柳瀬氏らの参考人招致、衆院予算委員会でスタート(09:00)

 加計学園の獣医学部新設をめぐり、「首相案件」と当事者らに伝えたと愛媛県の文書に記されている柳瀬唯夫・元首相秘書官らを参考人招致する衆院予算委員会が午前9時、始まった。文書は2015年、愛媛県と今治市の職員、加計学園幹部らが首相官邸で柳瀬氏に面会した際に県が作成した記録。柳瀬氏が文書の内容をどこまで認めるかが焦点となる。

 与党幹部によると、柳瀬氏は県市職員との面会を「記憶にない」と従来の主張を維持しつつ、学園側との面会については認める意向とされる。野党はうそをついた場合に偽証罪に問える証人喚問を要求してきたが、柳瀬氏の軌道修正を糸口に追及を強められると判断、与党が提案する参考人招致に応じた。

 柳瀬氏のほか、衆院で八田達夫・国家戦略特区ワーキンググループ座長、午後の参院予算委では加戸守行・前愛媛県知事が参考人招致される。2人はともに獣医学部新設の正当性を主張しており、与党が招致を要求した。

 衆院は午前11時15分まで、参院は午後1時から3時15分までの予定。

■柳瀬氏、自宅出る 問いかけに無言(06:40)

 学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、国会に参考人として招致される柳瀬唯夫・元首相秘書官(現経済産業審議官)は10日午前6時40分、東京都杉並区の自宅を出た。

 報道陣からの「愛媛県関係者との面会は認められるんですか」「いまの気持ちは」との問いかけには答えず、無言のまま車に乗り込んだ。

(朝日新聞デジタル 2018年05月10日 14時02分)

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