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2018年05月21日 19時32分 JST | 更新 2018年05月21日 20時17分 JST

【セクハラ問題】狛江市長「過剰に反応する人もいる」 会見でひらきなおり、辞任も否定

「思い込みの激しい人」と告発者を批判

時事通信
セクハラ問題で記者会見する東京都狛江市の高橋都彦市長=21日、東京・狛江市役所

複数の女性職員にセクハラをした疑いが浮上し、市幹部らに追及されている高橋都彦・東京都狛江市長が5月21日、記者会見した。セクハラについては「行き違い」「勘違い」と否定し、「進退は全く考えていない」と辞任も否定した。

市長の反論は...

高橋市長は出処進退について、「今のところ白紙状態、まったく考えていない」としつつ、「あの市は、市長がセクハラ疑惑があるんじゃないかと外部から見られている。信頼回復にあらゆる努力をする」と語った。

記者から「胸や肩を触ったのか」「腰に手を回したのか」と問われると、「懇親会なんかやってると、いろんなところが触れ合うことはあると思う」などと釈明。

セクハラだという指摘については、「のべ1600人くらいの職員と懇親の機会を持って距離を縮めてきた。その中で数名、違和感を感じた人がいたというのであれば、セクハラという意図は全くないから、謝るべきところは謝る」と述べた。

セクハラ行為については、「被害者の誤解だ」と強調。「セクハラとは違った次元の言動によって傷ついたひとも中にはいたのではないかな」と弁明した。

被害を訴えた人について「具体的に人物が思い浮かぶ」

セクハラ疑惑を調査している副市長らは、「誰がセクハラを訴えているか」を明らかにしていない。

しかし高橋市長は、「副市長の文書を読めば、ある程度人は特定できる」「具体的に人物が思い浮かぶ」などと、訴え出ている人を特定しているかのような発言を繰り返した。

そして、「もののはずみで体が触れたとしても、ふつうはそれをセクハラだって騒ぐ人はいないんです。ごくたまに、過剰に反応する人もいる。それは確かにいる」「思い込みが激しい人。思い込みでかなり強く受けやすいタイプということが言える」などと、セクハラではなく告発した側の問題だと主張した。

セクハラ行為ではないと主張する理由について、市長は「私の認識の中で、セクハラ行為というのはもともと無いわけなので、(被害を訴えている)その人たちも含めて対象にはならない」などと、持論を展開した。

副市長「卑劣な行為」「言い逃れ」 臨時庁議で幹部らから言及

今回の事件は、高橋市長が複数の女性職員に対して、尻や胸を触るなどのセクハラをした疑いがあることが市の内部文書によって明らかになったもの。

5月18日に市長や副市長ら幹部12人が参加した臨時庁議の記録によると、この内部文書について、作成者や報告者にヒアリングをしたうえで、臨時庁議で水野穰副市長が「市長がセクハラ行為を行っていたことが確認できた」と報告。文書以外でもセクハラ行為を確認したという。

水野副市長は「市長は立場を利用して卑劣な行為を行ったにもかかわらず、身に覚えがないと言い逃れ、文書作成者に対するペナルティに言及するなど、職員、市政に及ぼした影響は計り知れない」と言及していた。

進退言及の幹部らに対し「ヒエラルキーで組織は成立している」 

臨時庁議で進退について迫る発言をした副市長らに対し、高橋市長は「(副市長に対する)ペナルティとか処分とかいう前に、市長と副市長の立場、それからほかの部長との立場、やはり一種のヒエラルキーで組織というのは出来上がっている。報・連・相で成り立っている中で今回の話はあまりに唐突すぎる。組織として不正常な状況だ」と経緯の連絡や報告に対して不満を述べた。

市幹部が市長を追及した、臨時庁議の記録全文(5月18日)は、以下の通り。

市 長:それでは臨時庁議を開催します。報告事項1「重要と書かれた文書の調査について」の報告をお願いします。

副市長:重要と書かれた文書の真偽について、4月 17 日の庁議での報告を受けて再調査の必要性が庁議で了承されたことについて、調査結果を報告するものです。

まず、重要とされる文書の作成者、作成者に報告した報告者に聞取りを行いました。

作成者は報告者から聞いたことだけを記載し、報告者が嘘を話すとは思えない。報告者は報告者自身も被害者であり、また、他に被害を受けている職員の上司として文書作成者に報告した。報告したことは話が違うとした申出者に事後であるが報告した。ということで、重要と書かれた文書については事実であるということを私どもは確認したところです。

申出者からも聞取りを行いましたが、自分が被害に遭っていたと言っていることについては、全く事実と異なるということで、ここのところの齟齬は解消しなかったところです。

この調査を進める途上で、作成者の重要とされる文書の元となった備忘録の内容を把握することができました。また、聞取りの経過でもう1人の被害者が把握できましたので、その職員の聞取りも行いました。その被害者職員と上司である報告者と申出者の3人で、問題の行為について会話していたことを、報告者、もう1人の被害者の聞取りで明らかになりました。

この調査を行った結論として、市長がセクハラ行為を行っていたことが確認できたところです。重要と書かれた文書以外での行為も確認できました。

市長は立場を利用して卑劣な行為を行ったにもかかわらず、身に覚えがないと言い逃れ、文書作成者に対するペナルティに言及するなど、職員、市政に及ぼした影響は計り知れないと考えています。

ペナルティは受けないにしても、ペナルティを科するとされた職員の心はどれだけ不安にさいなまれたかと思います。怖くて市長室へ行けないという女性職員もいると聞いているところです。

この責任問題については、進退を含め、市長自ら判断されることを期待申し上げるところであります。

なお、先週5月 11 日に共産党市議団からの申入れがありましたが、この報告はその意向とは関係なく、独自に調査した結果を庁議報告しているところです。私からは以上です。

参 与:私からも申し上げたいことがございます。高橋市長は就任以来、私は何度となく、市長のセクハラ行為について直接・間接問わず聞いていたところです。

確か二期目の市長選挙の年でしたから、一昨年、平成 28 年の2月だと思いますが、このようなセクハラ行為が続いて万が一発覚すると、市としても大きな痛手になると思い「まさかそんなことはしていないと思いますが、市民の中で市長のセクハラが噂になっていますので気をつけてください。」と私は申し上げたと思います。

そのときは「気をつける」とおっしゃったと思います。しかし、残念ながら市長のセクハラ行為はやみませんでした。

この間、当時の石橋総務部長も市長に忠告していたはずです。

そして二期目に当選されたその年の 11 月です。市議会議員からご本人の奥様が食事帰りのタクシーの中で、あなたからいきなり手を握られてびっくりして声を上げてしまったという話がありました。

ほぼ時を同じくして、以前の飲み会であなたに体を触られたことがあった職員から「市長から忘年会の開催をしつこく迫られ、また同じようなことがあると困る」という相談が、市役所内部から、また同時に市議会議員からも入りました。

さすがに、我々としても対処せざるを得ず、副市長、明政クラブの石井幹事長と私で市長室に入って、セクハラ行為をやめるように言ったことを、まさか忘れているとは思いません。

そして、あなたは石井幹事長に「このことが知られたら狛江に住んでいられなくなる。市長は辞める」とおっしゃいましたよね。

しかし、あなたは全くやめる素振りを見せませんでした。

そして今回ついに、多くの議員にあなたのセクハラ行為が知られ、このような事態になったのです。

あなたは全てを否定しました。

これまで、あなたからセクハラ行為を受けていた女性職員はどう思ったか想像つきますか。「全く身に覚えがない」などと言うあなたの姿を見てどう思ったでしょう。

あげく、あなたは最後には「ペナルティ」まで口にして、自分の保身のために職員を売ろうとしたんですよ。

この間、私はこの職員を含め、セクハラ行為を受けた女性職員からも、悔しい、許せないと泣かれました。

もう職員は誰もあなたのことを信用していませんし、ついていこうなんて思う者は誰もいないと思います。

これから職員があなたと同様の行為をしたとして、あなたはその職員を処分できますか。「あなたになんか処分されたくない」と言われたらどうしますか。

あなたがその地位にいる限り、狛江市は残念ながら一歩も前に進むことができません。

ご自身で進退をお考えいただくよう、私からは提言を申し上げます。以上です。

市 長:大変厳しい意見をいただいたところです。一つ確認したいのですが、そもそもこの調査というのは、重要文書に関わって、3月のはじめに記述の内容からして「もし自分であればそれは違う」という申立てがあったという事実は確認していただいたということでいいですね。

副市長:そこの部分については、齟齬が生じている状態です。

市 長:もう一つは、そういう齟齬が生じていることについて、重要文書の作成時点での訂正というのは、齟齬がある以上やむを得ないのでしょうけれども、本人がそういう事実はないと言っているわけなので、その名誉というか、そういったものが解消される方法はあるのでしょうか。総務部長どうですか。

部 長:私は聞き取ったヒアリングをした結果しか分からないので、本人の言うことを基本的に信じるというスタンスしか取れません。それは職員の保護のためです。ただ、このケースに限っては、そういう風に判断しても良いかとは考えています。今の話はこのケース以外の話も含めてされたと思いますが。

市 長:このケースの事実だけを聞いています。

部 長:その事実については、本人の申立てで確認しています。

市 長:わかりました。

副市長:そこのところにつきましては、私の報告の中にも盛り込んでありますが、報告者ともう一人の被害者、申出者の3人で、そこの部分の会話はしたことがあると聞取りをしているところです。

市 長:わかりました。この件について何か他に意見があれば。無いようであれば、これで本日は終了いたします。