物議の痴漢撲滅ポスター、愛知県警が撤去。「鉄道警察隊が企画・提案したものだった」と回答

「犯行を思いとどまってほしいという効果を期待して作成したもの」という。

メディアと表現

愛知県警の痴漢撲滅キャンペーンのポスター
愛知県警の痴漢撲滅キャンペーンのポスター
愛知県警のホームページから

愛知県警の痴漢撲滅キャンペーンのポスター「あの人、逮捕されたらしいよ。」が「逮捕=有罪確定かのように扱われている」とネットで弁護士らに批判されたのを受け、同県警は6月5日、掲示したポスターを撤去するとともに、広報課長名でハフポスト日本版の質問にファクスで回答した。

回答によると、ポスターは県警鉄道警察隊が内容を企画・提案し、2018年2月、広告会社に制作を委託したという。

今回制作されたポスターを通じ、どんな効果を期待したのか尋ねたところ、「行為者には犯行を思いとどまってほしいという効果を期待して作成したものです」と答えた。

また、ポスターの制作過程で「無罪推定への原則」を踏まえた疑義や指摘、議論があったかどうかを尋ねたところ、「今回のポスターは、痴漢犯罪の撲滅等を目的に、県民の皆様に痴漢が犯罪であることを認識していただくとともに、行為者には犯行を思いとどまってほしいという趣旨で作成したもので、作成に当たっては組織検討を行っている」と回答した。

また、亀石倫子弁護士らからSNS上で指摘された「逮捕の段階で、すでに裁判で有罪が確定したかのような反応をする表現が、あちこちで使われている」ことへの見解については、「痴漢犯罪の撲滅等を目的に、県民の皆様に痴漢が犯罪であることを認識していただくとともに、行為者には犯行を思いとどまってほしいという趣旨で作成したもの」という回答を繰り返すにとどまった。

「無罪推定の原則」の観点からみた、今回のポスター表現の妥当性についても尋ねたが、妥当性については触れず、制作の趣旨を繰り返した上で、「ご批判があることを真摯に受け止め、この様な状況の下でポスターを使用し続けながら、痴漢撲滅キャンペーンを実施しても、その目的が達せられないと考え、掲示したポスターは撤去することとしました」と答えた。

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