米朝首脳会談で、トランプ氏が大統領専用車「ビースト」の車内を金正恩氏にチラ見せ

金氏がおねだりしたのか、それともトランプ氏のサービスか
会談があったホテルのバルコニーから手を振る北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長(左)とアメリカのトランプ大統領=シンガポール・セントーサ島
会談があったホテルのバルコニーから手を振る北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長(左)とアメリカのトランプ大統領=シンガポール・セントーサ島
SAUL LOEB via Getty Images

史上初めての米朝首脳会談(6月12日)に臨んだアメリカのトランプ大統領が、大統領専用車「ビースト」の内部を、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長に見せていた。

ビーストは大統領専用機「エアフォースワン」と同様、大統領の身を守りつつ、中で職務が遂行できるよう、セキュリティー上の観点から内部はあまり知られていない。

「マル秘」とも言える車内を対立国のリーダーに見せる異例の措置に踏み切ったのは、会談の成功を印象付ける狙いがあるとみられる。

会談会場のホテルに向かうトランプ大統領を乗せた専用車などの車列=6月12日、シンガポール
会談会場のホテルに向かうトランプ大統領を乗せた専用車などの車列=6月12日、シンガポール
Edgar Su / Reuters

この日、ワーキングランチが終わった後、トランプ、金両首脳は会談の会場となったホテルの外に姿を現し、待ち受ける報道陣に近づいてきた。

「素晴らしい会談だった。署名する」。トランプ氏はそう短くコメントすると、金氏とともに再びホテルに戻った。

サプライズが起きたのはその後だ。両首脳はすぐさまホテルに入ろうとせず、話しながらアメリカの大統領専用車「ビースト」に向かって歩いて行った。

車両の前で2人は軽く立ち話をしたかと思うと、トランプ氏の警護担当者とみられる人物がビーストのドアを開け、両首脳は話をしながら短時間、中をのぞいた。

2人の間でどんな会話があったかは不明だが、両首脳の表情は終始和やかだった。

「獣」を意味するビーストの性能はすさまじい。「キャデラックワン」とも呼ばれるこの車は、大統領を保護するための様々な機能が備わっている。

銃器などの攻撃に備えて、ドアは分厚く、通常車とは違った特殊な素材を使用。生物兵器などからの攻撃にも耐えうる機能もあるとされ、「動く要塞」の異名を持つ。

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