田中均氏「国内に威勢のいいこと言うのが外交じゃない」安倍首相の拉致対応に苦言

日本記者クラブで講演しました。
対北朝鮮外交について語る田中均・元外務審議官=7月3日、東京・内幸町の日本記者クラブ
対北朝鮮外交について語る田中均・元外務審議官=7月3日、東京・内幸町の日本記者クラブ
朝日新聞社

田中均氏、安倍外交に苦言「拉致問題で結果出ているか」

2002年の初の日朝首脳会談への交渉を担った田中均・元外務審議官が3日、日本記者クラブで講演し、「安倍(晋三)首相は北朝鮮への強い姿勢をかざし首相への階段を上ったが、国内に威勢のいいことを言うのが外交じゃない。拉致問題で結果が出ているか」と指摘した。

田中氏は、北朝鮮と米韓中の対話が動く中で日本外交も「圧力から局面を変える最大の好機だ」と主張。「突然の日朝首脳会談より地道に外交を」「朝鮮半島問題で日本の戦略を示さないと米中からばかにされる」と苦言を重ねた。

拉致問題については「徹底的な調査をせず、生きているに違いないとか死んでいるとか言うのは無責任」とし、解決へ「平壌に日本政府の連絡事務所を作るべきだ」と提言。北朝鮮から説明を受けた02年の日本政府調査団とは違い、北朝鮮に「合同調査団を作り協力する」よう求め、その調整に政府連絡事務所があたるべきだと述べた。(藤田直央)

(朝日新聞デジタル 2018年07月04日 07時59分)

関連ニュース

注目記事