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2018年07月05日 10時47分 JST | 更新 2018年07月05日 10時48分 JST

「今後の会見予定はない」 加計孝太郎氏側が記者クラブにファクス通知

前回会見は参加記者も限定し、25分で打ち切っていたが...

「疑念、払拭されていない」加計学園の姿勢に根強い反発

 学校法人「加計学園」(岡山市)は4日、愛媛県今治市での獣医学部新設について、加計孝太郎理事長が記者会見する予定はないと県庁の記者クラブにファクスで伝えた。加計氏の6月の初会見は岡山の記者限定で、25分で打ち切っており、愛媛県議会や学園内には今も「疑念が払拭(ふっしょく)されていない」との声が根強い。

 学園のファクスはA4判1枚。参加者を限らない会見を記者クラブが6月28日と7月3日付で求めたのに対し、「6月19日、学園本部において、理事長及び学長が記者会見を行った」とし、「今後の記者会見について対応予定はございません」と回答した。また、学園は文部科学省の記者クラブに対しても同様に、会見予定がないことをファクスで伝えた。

 ファクスでは、岡山での会見について「多数のご質問を受け誠実に対応した」とし、「新たな質問が出なくなり、質問が出尽くしたことから記者会見を終えた」と記している。

 実際には会見は、開始の約20分後に学園の司会役が「質問はあと三つ」と打ち切りを宣言。その後も「あと一つだけ」「この辺で終わります」などと繰り返し、「後悔していることはあるか」と質問が飛ぶなか加計氏は会場を去った。

 一方、会見では「きちんとした形の会見を」と求める記者に対し、加計氏は「検討する」と回答している。これも含めて今後の会見予定はないのかを朝日新聞が4日尋ねたところ、学園は「質問、取材への対応を控える」と答えた。

 愛媛県の中村時広知事は学園のファクスの内容を受け、「最高責任者が対外的な説明責任をしっかりと果たすことにより、学園の信頼確保につながると確信していることに変わりはない。県民の代表である県議会での議論を注視したい」とのコメントを発表した。

 6月の加計氏の会見は、獣医学部新設をめぐる県の文書が明らかになったのを受けて開かれた。加計氏は、2015年2月に安倍晋三首相と面会したという文書の記載について「記憶にも記録にもない」などと述べた。

 学園の対応は開会中の愛媛県議会の6月定例会でも論議になっている。6月28日の一般質問では学部新設に賛同する議員からも批判が相次いだ。

 自民系会派の黒川洋介県議は「国民の疑念が払拭できたと言える状況ではない」。知事与党の別会派の古川拓哉県議は「『記憶にない、記録にない』では真相が明らかになったとは到底言えない」と述べた。県は、学園に約93億円を補助する今治市に対し、約31億円を支援する。別の自民系会派の岡田志朗県議は「支出を疑問視する声が一部に出ている」とただした。中村知事は「(首相と加計氏が面会したという)虚偽報告は重大な問題」としつつ、「事業そのものは適正に実施されていると確認しており、現時点で補助金交付の妥当性は問題がないと判断している」と答弁した。

 7月3日までに一般質問に立った12人の半数が獣医学部に関する質問をした。

 疑問の声は学園内にもある。岡山理科大の教職員の1人は「ファクスを一方的に送りつけたり、短時間の会見を急に開いたり、学園の対応の一つ一つに世間とのズレがあり、批判を招く悪循環になっている」。獣医学部新設をめぐる問題で最も不安を抱いているのは学生や保護者だとし、「説明を尽くし、『安心して通って下さい』と言える環境を作るのがトップの仕事だ」と話した。

 学園が、愛媛県などに虚偽の説明をしたことについては、同大の教職員らの組合も5月、「自治体や国民への重大な背信行為。教育機関としても許されない」と学園執行部の対応を批判していた。

(朝日新聞デジタル 2018年07月05日 06時50分)

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