麻原彰晃元死刑囚の遺骨、四女側は「身の危険を感じる」と直ちに受領せず 今後どうなる?

遺骨をめぐっては、信者らの崇拝対象になりかねないとして公安当局が警戒を強めている。
元代表の松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚。撮影日:1996年04月24日
元代表の松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚。撮影日:1996年04月24日
AFP時事

7月6日に死刑が執行され、9日に火葬されたオウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚の遺骨について、法務省が遺骨を引き渡す方針とされていた四女側が「直ちには受領しない」と明らかにした。

共同通信毎日新聞など報道各社は、松本死刑囚が刑の執行直前に自らの遺体を四女に引き渡したいと拘置所職員に言い残していたと、7日から8日にかけて報じた。いずれも関係者の証言だという。

NHKニュースなどによると、法務省は四女側に遺骨を引き渡す方向で調整していた。

これに対し、四女側の代理人の滝本太郎弁護士は7月9日、「遺体の火葬は了解しました。遺骨は直ちには受領せず当面、東京拘置所にあることになります」とブログで発表した。

テレ朝newsによると、四女側が現時点で遺骨を引き渡された場合に「身の危険を感じる」などと話しているという。

松本元死刑囚の遺骨をめぐっては、信者らの崇拝対象になりかねないとして公安当局が警戒を強めている。そのため、法務省は遺骨の引き渡し先について、慎重に判断していくとみられている。

引き渡し先をめぐっては、法務省が四女に遺体を引き渡す方向で調整しているが、引き渡しを求める松本死刑囚の妻らが反発している。

妻らは「特定の人を引き取り人として指定することはあり得ない」と拘置所側の主張に反発。7月7日に妻、次女、三女らが上川陽子法相と東京拘置所に遺体の引き渡しを求める要求書を提出した

朝日新聞デジタルによると、刑が執行された死刑囚の遺体は法令などに基づいて引き渡し先が決まる。死刑囚本人の意向が最優先されるが、指名された人が拒んだ場合は配偶者、子ども、父母などの順番に拘置所側が引き取る意思を確かめるという。

松本聡香(さとか)さんのペンネームで知られる松本死刑囚の四女は2017年11月に記者会見を開き、教団との決別、両親との相続関係を断つ「縁切り」を宣言した

四女は7月6日、松本死刑囚の死刑執行を受けて「一度の死刑では足りないほどの罪を重ねましたが、彼を知る人間の一人として今はその死を悼みたいと思います」と、以下のコメントを発表していた

私の実父松本智津夫が多大な迷惑をおかけした被害者の方、ご遺族の方、信者のご家族、元信者の方、刑務官の方、そして世間の皆さまに改めて深くお詫び申し上げます。

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