イギリスの伝説的ロック歌手も、ワールドカップの舞台ではとんだお荷物扱いを受けているようだ。
大のサッカーファンで知られるローリング・ストーンズのボーカル、ミック・ジャガー氏には、応援するチームがことごとく敗退するというジンクスがあり、「ミック・ジャガーの呪い」という不名誉な称号を与えられている。
不幸なことに、7月12日にあった母国イングランド対クロアチアの準決勝でも、この呪いは健在だった。
1966年大会以来の決勝進出の瞬間を間近で観戦しようと、イングランドの応援席にはミックの姿があった。本人のTwitterに投稿された動画には、試合開始直前に「カモン、イングランド」とエールを送る様子が撮影されている。
イングランドは前半5分に先制点を挙げたが、後半24分に同点に追いつかれた。試合は延長戦にもつれ込んだが、クロアチアに決勝点を許し、辛くも決勝進出を逃した。
またしても応援するチームが敗退してしまい、海外メディアやTwitterは「ミックの呪いの再来だ」と騒ぎ立てた。
ミックの呪いとは?
Sunによると、「ミックの呪い」の歴史は、5大会前の1998年フランス大会にまで遡る。イングランドがアルゼンチンに敗戦した決勝トーナメント1回戦を、スタンドで応援していたと伝えている。
2010年の南アフリカ大会では、イングランドとブラジル、アメリカの3チームの試合をスタンドで観戦したが、いずれも負けた。
さらに4年後のブラジル大会でも、グループリーグでのイングランド対ウルグアイ、イタリアの2試合で、母国に応援ツイートを送ったが、いずれも敗戦。同じグループリーグでイタリアがウルグアイに勝つと予想したが、これも外れた。
AP通信によると、「ミックの呪い」を不動のものにしたのは、2014年ブラジル大会準決勝のブラジル対ドイツ戦だ。ミックはブラジル人の息子と現地でブラジルを応援していたのだが、結果は1-7と歴史的な敗戦に終わった。
これまでに報じられている「ミックの呪い」を以下にまとめた。左側は、ミックが応援した「呪われた」チーム。
1998年フランス大会
・イングランド 対 アルゼンチン(2-2、PKで3-4:決勝トーナメント1回戦)
2010年南アフリカ大会
・イングランド 対 ドイツ(1-4:決勝トーナメント1回戦)
・アメリカ 対 ガーナ(1-2:同)
・ブラジル 対 オランダ(1-2:準決勝)
2014年ブラジル大会
・イングランド 対 ウルグアイ(1-2:グループリーグ)
・イングランド 対 イタリア(1-2:同)
・イタリア 対 ウルグアイ(0-1:同)
・ブラジル 対 ドイツ(1-7:準決勝)
2018年ロシア大会
・イングランド 対 クロアチア(1-2:準決勝)
もちろん、ミックが応援したチームが全て負けているわけではない。ただ、これほどまでに偶然が重なってしまうと、「呪い」が強調されてしまうようだ。