「熱中症」警戒、知っておきたいリスクと予防法 暑すぎる三連休、気象庁も異例の呼びかけ

西日本豪雨の被災地でも「熱中症のリスクが高くなっている」
(写真はイメージ)西日本豪雨/断水で水道が使えず、川で汚れた雑巾を洗う子供=広島県坂町小屋浦 撮影日:2018年07月13日
(写真はイメージ)西日本豪雨/断水で水道が使えず、川で汚れた雑巾を洗う子供=広島県坂町小屋浦 撮影日:2018年07月13日
時事通信社

気象庁が7月13日、異例の臨時記者会見を行い、"猛暑日が続く"と注意を呼びかけた

西日本と東日本では、今月下旬にかけて最高気温が35度以上の猛暑日が続くと予想されており、気温のかなり高い状態がしばらく続くおそれがある。

14日からの三連休が、広く今年一番の暑さを記録すると見られる。最高気温は、名古屋で38度、大阪で37度のほか、東京や広島でも35度と今年初めての猛暑日になる可能性がある。岡山でも、15日に最高で39度となる可能性があると予想されている

心配されるのが西日本豪雨の被災地だ。気象庁は、被災地では冷房のない避難所で過ごしたり屋外作業をしたりする人もいるため「熱中症のリスクが高くなっている」と警告。できる限り日陰や風通しのいい場所で過ごし、屋外作業の際はこまめな休憩と水分補給をするよう呼びかけた。

条件次第で、いつでもどこでも熱中症にかかる可能性がある。三連休にレジャーに出かける人たちも注意が必要だ。

熱中症のリスクや正しい予防方法とは? 普段から気をつけることや初期症状、応急処置のフローをまとめた。

熱中症とは?

厚生労働省によると、熱中症とは、高温多湿な環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして発症する障害の総称。

環境省の熱中症予防情報サイトによると、熱中症を引き起こす条件は、「環境」と「からだ」と「行動」によるものが考えられる。

「環境」要因は、気温が高い、湿度が高い、風が弱いなど。「からだ」の要因は、激しい労働や運動などの「行動」によって体内に著しい熱が生じたり、暑い環境に体が十分に対応できなかったりすることなどがある。その結果、熱中症を引き起こす可能性がある。

(写真はイメージ)
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Reuters Photographer / Reuters

熱中症の症状

以下の症状が生じた場合は、熱中症にかかっている可能性が高いという。めまいや筋肉痛やけいれん、体のだるさなどの初期症状に注意しよう。

・めまいや顔のほてり

・筋肉痛や筋肉のけいれん

・体のだるさや吐き気

・汗のかきかたがおかしい

・体温が高い、皮ふの異常

・呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない

・水分補給ができない

心がけるべき対策は?

関係省庁で構成される「熱中症関係省庁連絡会議」は、ポスターで対策を呼びかけている。

部屋の温度をこまめにチェックし、室温が28度を越えないようにエアコンや扇風機を使用し、こまめに水分補給するといいだろう。

熱中症関係省庁連絡会議

日本気象協会が運営するサイト「熱中症ゼロへ」では、「冷却グッズを身につける」ことを呼びかける。冷却シートやスカーフ、氷枕などの冷却グッズを提案する。首元など、太い血管が体の表面近くを通っているところを冷やすと効率よく体を冷やせるという。

高齢者は温度に対する感覚が弱くなるため、室内でも熱中症にかかりやすいといわれている。また、乳幼児も体温調節機能が十分に発達していないため、大人よりも熱中症にかかりやすいという。周囲の人も、注意して予防や対策を心がけよう。

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Issei Kato / Reuters

「熱中症かも」と思ったら...

環境省は、応急処置のフローをまとめている。落ち着いて、周りの状況を確かめて対処しよう。症状に応じて医療機関を受診しよう。

環境省「熱中症環境保健マニュアル2018」

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