イーロン・マスク氏の偽物に注意。「お詫びに40億円分の仮想通貨をプレゼント」のサイトに誘導

タイ洞窟のダイバーに対する本人の謝罪ツイートかと思ったら...
イーロン・マスク氏
イーロン・マスク氏
Mike Blake / Reuters

アメリカの電気自動車メーカー「Tesla」のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が7月18日、タイ北部の洞窟に閉じ込められた少年の救出作戦に関わったイギリス人潜水士に対する暴言をTwitterで謝罪した。

ユーザーに返信する形で謝罪の言葉をつづったのだが、このツイートに紛れ込む形で、マスク氏の偽物とみられるアカウントが、「お詫びに40億円分の仮想通貨をプレゼントとする」などとうたったサイトに誘導する投稿をしている。

イーロン・マスク氏本人と偽物とみられるTwitterアカウント

「偽」ツイートでは、「もし、誰かを不快にさせてしまったら本当に申し訳ありません。謝罪の気持ちを示すために、こんな取り組みを始めました」となどとつづり、サイトに誘導。不快にさせてしまった人に向けて「仮想通貨をプレゼント」とうたい、合計5000ビットコイン(約42億円相当)と10000イーサリアム(約2000万円相当)を「お詫びの品」として送金すると記されている。ただ、まず送金を希望する人に仮想通貨を送ってもらい、その額に応じて数倍にして返金する形を取っている。

「偽」アカウントは認証マークがついておらず、アカウント名も本人の名前のスペルに似せた「eIomtusk」となっている(本物はelonmusk)

BBCによると、マスク氏をかたって仮想通貨を送るとうたい、利用者からの送金を求めるケースが過去に起きている。

暴言の経緯、謝罪の内容は?

謝罪ツイートを「偽」アカウントに邪魔された格好となったが、そもそもなぜ、マスク氏は暴言を吐いてしまったのか。

BBCによると、マスク氏はタイの洞窟で少年が行方不明になった直後に現地を訪れ、救出ミッションのため世界中から専門家を集める手助けをした。

マスク氏は、テスラ社製の小型潜水装置の提供を申し出たが、救出に適していないとして断られてしまった。救出ミッションのキーマンだったアンズワース氏が、「この潜水装置は機能しない」「テスラ社のPR活動だ」と一蹴したのだ。

この発言にマスク氏が怒り、根拠のない暴言ツイートに発展。

「テスラの小型潜水艦なら、洞窟内を問題なく移動できる。悪いな小児性愛者」などとツイートしたのだ。(現在、ツイートは削除されている)

この発言でテスラの株価は急落し、投資家が発言を控えるよう苦言を呈した。マスク氏は騒動を受けて、Twitterのユーザーに返信する形で謝罪の言葉をつづった。

「アンズワース氏に事実と異なることを言われて、怒りのままにつづってしまったんです。だからと言って、僕の発言が許されるわけではありません。だから、アンズワース氏と、僕が代表を務めるテスラに対して謝罪します。この過ちは、僕個人のことです」

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