法廷でおしゃべりが止まらない被告、口を粘着テープでふさがれ、判決聞くはめに。オハイオ州の判事が怒りの措置

人権団体は「被告の尊厳を踏みにじった」と反発
粘着テープで口をふさがれたフランクリン・ウィリアムズ被告
粘着テープで口をふさがれたフランクリン・ウィリアムズ被告
Fox 8 News Cleveland/YouTube

アメリカのオハイオ州であった刑事裁判で、被告が判決言い渡しの最中にしゃべり続けていたため、裁判官の指示で口に粘着テープを貼られていたことが明らかになった。ハフポストUS版などが報じた。

異例の事態に人権団体からは「被告の尊厳を踏みにじった」などと批判の声が上がっている。

ハフポストUS版によると、問題の刑事裁判は7月31日、オハイオ州カヤホガ郡裁判所であった。

強盗や誘拐、窃盗、クレジットカードの悪用などの罪で2017年12月に起訴されたフランクリン・ウィリアムズ被告(32)に対し、ジョン・ロッソ判事が判決を言い渡そうとしていた。

ところがウィリアムズ被告は弁護人やロッソ判事らに話しかけ、やめようとしなかった。

「ミスター・ウィリアムズ、私はこの事件の裁判官です。口を閉じなさい。そして私が許可したら話しなさい」。ロッソ判事は述べた。その後も再三警告したが、それでも被告は話し続けた。

「私は『話すのをやめなさい』と言ったはず。わかっていますか」。判事がいらいらしながら言うと、被告は「いいえ。だって判事、あなたは私の人生を取り上げようとしているのに、私に語らせようとしないから」と反論した。

その後も両者の間でやりとりがあったが、堂々めぐりに。しびれを切らした判事はついに「あなたの口を粘着テープでふさぎます。私があなたに話してほしいときだけはずします」と述べた。

被告はすぐさま複数の刑務官に取り囲まれ、口を粘着テープでふさがれた。それでも被告はもごもごと何かを話していた。

被告は24年の実刑判決が言い渡されたが、人権団体「アメリカ市民自由同盟」オハイオ州支部はTwitterで、「これは異常。屈辱的。判決言い渡し前に被告人の話す機会を奪うというだけでなく、彼の尊厳を踏みにじった。全てが間違っている」と批判した。

地元のテレビ局「FOX8クリーブランド」によると、ウィリアムズ被告は、ネブラスカ州に逃亡した際、頭を打って記憶喪失になったと主張していた。

だが、検察側はこの日の法廷で、被告が家族と電話で会話した録音データを提出。記憶を失っていないことの証拠としたほか、被告が刑事罰を避けるための方法を調べていたことも明らかにした。

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