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2018年08月05日 11時40分 JST | 更新 6時間前

「3年の夏に出るのは全然価値が違う」 日ハム・清宮幸太郎選手が語る甲子園

「また甲子園で野球がしたいです」

朝日新聞
日本ハムファイターズの清宮幸太郎選手=札幌ドーム、白井伸洋撮影

清宮「甲子園3年夏は価値違う」 見られなかった開会式

 「本気の夏、100回目。」 全国高校野球選手権大会は、第100回記念大会を迎えた。熱戦を繰り広げる球児たちへ、プロ野球・北海道日本ハムファイターズの清宮幸太郎選手(19)からエールが届いた。

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 100回という歴史の中で、高校野球を経験して様々なスターの方が生まれてきました。そういった方たちを始め、一年一年積み重ねてきていただいたおかげで高校野球に熱中できるのだと思います。高校野球の面白さや素晴らしさは、多くの皆さんがわかっていると思う。本当に高校野球はすごいです。

 早稲田実ではのびのびとプレーをさせてもらえました。夏の甲子園の思い出と言えば、楽しかった。1年生で、西東京大会は「勝たないといけない」と毎試合ドキドキしてしんどかったですけど、甲子園に出るという大きな目標をクリアして、割り切れていたというか緊張はしなかった。

 もちろん全国制覇を目指していましたが、甲子園で終われたら本望とも思っていました。東海大甲府(山梨)戦と九州国際大付(福岡)戦で打ったホームランは強く印象に残っているし、準決勝で仙台育英(宮城)に負けて悔しかったけど充実感がありました。

 2年の時、西東京大会準々決勝で八王子に負けた悔しさが自分にとって大きかったです。その後、新チームで主将になって、周りを見る目というか気が回るようになった。チームの雰囲気が悪いときどうすれば打開できるのかとか、どう話せば納得してもらえるか、どんな行動をすれば理解してもらえるかとか、考え続けていたので思考力がついて成長できたと思います。

 3年になって選抜大会に出ましたが、夏は西東京大会決勝で東海大菅生に負けました。新チームになってから東京では公式戦で一度も負けていなかった。甲子園は近かったですけど、遠すぎましたね。

 「夏の甲子園は一度経験しているからいいか」と考えるようにしたんですけど、やっぱり3年の夏に出るのは全然価値が違う。ふとした時に「うわー」と悔しさがこみ上げてきた。甲子園の開会式とかは見られませんでした。友達からのLINEとかも返信できないくらい、本当にめちゃくちゃ悔しかった。また甲子園で野球がしたいです。

 プロになって、毎勝負毎勝負を楽しめています。やっぱり高校野球と比べたら結果は出ないですし、ヒットやホームランを打てた時の喜びは、今までより大きいです。相手投手は一流の方々ばかり。そんな状況の中で、ファイターズのみんなで戦っている。勝利に貢献できる喜びは高校野球とは違います。

 手応えは「五分五分」くらい。「意外とやれているな」というところもあれば、「もう少しできるのにな」と思うところもあります。例えばファウルや打ち損じが多い。でも、もっと苦労するかなと思ってもいたから「五分五分」です。

 自分もプロ野球選手なので、「野球離れ」についての話をよく聞きます。夢を与える立場の人たちが、「ああいう人になりたい」と思ってもらえるようなプレーをすることがプロの仕事なのかなと。野球をやってくれる子が少なくなるというのは、やっぱり悲しいことです。

 野球は夢を与えることができる。プロ野球選手だけでなく高校球児もそうです。自分も早実の先輩の斎藤佑樹さん(日本ハム)を甲子園で見て、野球がやりたいと志した。高校球児のみんなも、一生懸命やれば間違いなく色々なことが伝わると思う。だからこそ、子どもたちに野球をたくさん見て欲しいです。

 高校野球での時間は、あっという間に過ぎていきました。高校生にとって夏の大会は最後。色々な思いを背負って戦っている。自分が一番自信を持っていることを、悔いのないよう全て発揮することが勝利への近道だし、それこそが高校野球だと思う。悔いが残らないよう自分が持っている全ての力を出し切ってください。(構成・辻健治)

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 きよみや・こうたろう 1999年5月25日、東京都生まれ。3歳からワセダクラブでラグビーを始める。2012年、中学1年生で北砂リトルの一員として、世界選手権で優勝。その後は調布シニアに所属し、全国優勝を経験。15年、高1の夏に全国選手権大会で4強入り。2本塁打を放った。17年春の選抜大会に出場し、2回戦敗退。夏の全国選手権西東京大会では、準決勝で歴代タイとされる高校通算107号を放った。同年9月、18歳以下のワールドカップに日本代表で出場し、通算本塁打記録を111本まで更新。同年10月のプロ野球ドラフト会議で7球団の競合の末、日本ハムへ入団する。好きな食べ物は柿。184センチ、102キロ。

(朝日新聞デジタル 2018年08月05日 07時45分)

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