「カーモン ベイビー オカヤマ!!」西日本豪雨で行き来が減った地域に「みんな来て」動画が爆誕

第一弾は、岡山県。県民約200人と伊原木知事が出演している。
カモンベイビーオカヤマ!! と歌って踊る動画
カモンベイビーオカヤマ!! と歌って踊る動画
瀬戸内サニー提供

夏休み真っ只中の観光シーズンにも関わらず、7月上旬の西日本豪雨で被災した中四国の地域で、人の行き来が減っている。直接的な被害を受けた地域だけでなく、被害の少なかった観光地にも風評被害で客足が遠のいているのだ。

そんな状況を打開し、引き続き人手が必要な地域のボランティアや、観光客など人の行き来を増やそうと作られた、ある動画が話題を呼んでいる。

独特のダンスと歌詞で、ダサかっこいいと人気なDA PUMPの楽曲「U.S.A.」に乗せて、「カーモン ベイビー オカヤマ!!」と地元の人たちが歌って踊っているのだ。

冒頭は、まだボランティアを必要としている倉敷市真備町の様子が映し出される。

その後、伊原木隆太・岡山県知事の「少しでも多くの人に、観光やボランティアに来てもらうことで、岡山は元気になります」という呼び掛けで動画が始まる。

呼び掛ける伊原木知事
呼び掛ける伊原木知事
カモンベイビーオカヤマ!!動画より

後楽園や倉敷美観地区などの県内名所が次々と映され、そこで県民が「カーモン ベイビー オカヤマ!!」に続いて世界に届け、児島デニム!」「どこでも桃太郎いる!」と歌っている。

児島デニムで有名なニッセンファクトリー
児島デニムで有名なニッセンファクトリー
カモンベイビーオカヤマ!!動画より

エンディングは「共に歩み、共に見届けてほしい。 今、ここに、岡山があるから。 カモンベイビー オカヤマ。カモンベイビー 西日本」という言葉で締められている。

動画は、瀬戸内で活動するネットメディア「瀬戸内サニー(代表取締役:大崎龍史さん)が作った。

西日本豪雨の風化を恐れ、「早いタイミングで動画を公開しないと」という思いから、撮影から編集までを約2週間で手掛けた。被災地にも入ることになるので、過度なプレッシャーをかけないよう、撮影はすべてスマートフォンを使ったという。

人の行き来の後押しに

大崎さんは、この動画をきっかけに「一人でも多くの方がこの動画を見て、岡山県に、そして西日本に来てほしい」という思いから、「カモンベイビー西日本!!」企画を始めた。

第一弾の「岡山編」動画制作の協力を呼び掛けたところ、サッカースクールの生徒や、岡山の夏祭りで踊られる「うらじゃ」の踊り子のほか、地元で働く人々、高校生、大学生まで様々な人が参加した。

撮影する大崎さんと協力した岡山大学の学生たち
撮影する大崎さんと協力した岡山大学の学生たち
瀬戸内サニー提供

ただ、大崎さんは、災害をきっかけにした取り組みについては「災害が起こるたびに、災害は乗り越えるべき課題だと、災害自体が美化され、さらには災害に対する取り組みも実情以上に美化されて伝えられてしまうことがある」と懸念する。

この動画は、「決して災害を美化するための動画でも、この取り組み自体を美化してほしいわけではなく、人がボランティアや観光で行き来するのを後押しするための、復興を応援するための動画」と話す。

「だからこそ、それぞれがこの出来事をきっかけに行動し、そして被災者の方が前向きに歩んでいくときの支えにこの取り組みがなれば、これ以上嬉しいことはありません」

本家DA PUMPのISSAさんも反応

公開されてすぐの8月13日には、この動画で使われている楽曲「U.S.A.」を歌う本家のDA PUMPのリーダーISSAさんが自身のTwitterで動画の紹介ツイートをリツイート。

ISSAさん公式Twitterより

DA PUMPのファンサイトにも掲載されたりと人気が広がり、視聴回数は8月15日現在で3万5000回を超えた。

Twitter上では、「また行きたい」「こっちが元気もらえる」といった明るいコメントが相次いだ。

第二弾は企画中

今回は、第一弾として岡山を取り上げたが、今後は広島や愛媛などにも人が来たくなるような動画の配信を考えているという。

総合メディアディレクターの大崎龍史さん
総合メディアディレクターの大崎龍史さん
瀬戸内サニー提供

大崎さんは「地元の人たちにも飛び火していき、いろんな地域で『うちもやってみようか』と思ってくれたらうれしい。今後は、被災者の皆さんに有益な情報を盛り込む動画や、観光客や被災者の人たちが『行き来(カモンベイビー)』しやすいような取り組みを進めていきたい」と話している。

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