「男性お断り」のフェス、スウェーデンで開催。一体なぜ?

「男性じゃない人だけが参加できる最高にクールなフェスティバルを私たちが作るのはどう?」と発案
スウェーデンの「Statement Festival」の観衆(2018年8月31日撮影)
スウェーデンの「Statement Festival」の観衆(2018年8月31日撮影)
TT News Agency / Reuters

「シス・ジェンダー(生まれた時の身体的性別と自分の性同一性が一致しており、それに従って生きている人)の男性お断り」の音楽フェス「Statement Festival」が、8月31日と9月1日の2日間に渡りスウェーデンのヨーテボリで開催された。

女性、トランスジェンダー、そしてノン・バイナリージェンダー(自身のジェンダーを男性にも女性にも限定しない)のみ参加可能なこの音楽祭が開催された背景には、フェスティバルにおける性犯罪の横行がある。

スウェーデン最大の音楽フェスティバル「Bråvalla」では、2016年に5件のレイプと12件の性的暴行、2017年には4件のレイプと23件の性的暴行事件が起きており、2018年の開催は中止された。このような事件の報道を見たスウェーデンのコメディアンEmma Knyckareさんは、以下のようにツイートした

「男性全員がきちんとした振る舞いをできるようになるまで、男性じゃない人だけが参加できる最高にクールなフェスティバルを私たちが作るのはどう?」

このアイディアに大勢の人が賛同し、公式サイトによると、クラウドファンディングによって目標であった50万スウェーデン・クローナ(約640万円)もの資金を集めることができたという。

「(性的被害を告発する運動)#Metoo がフェスティバルを企画しやすいように議論の方向を変えてくれたと思います」

とKnyckareさんは語っている

「私たちはもう、安全で、自由な場所を作りたいと望むことの正当性を示さなくてもよくなったのです。(しかし)これは解決策ではありません。問題への対応なのです」

しかし、複数の人から、このフェスティバルの排他性に関しての苦情が届けられているとニューヨーク・タイムズは報じている。スウェーデンのDiscrimination Act(性別や性的指向、宗教、年齢などに関わらず平等な権利を促進する法令)に違反するのではないかという内容で、現在調査中であるという。

(編集:船木杏奈)

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