セリーナ・ウィリアムズは言った。「ズルをして勝つんだったら、負けた方がマシ」

試合は大坂なおみが勝利し、グランドスラム初優勝を達成した。
審判に抗議するセリーナ・ウィリアムズ
審判に抗議するセリーナ・ウィリアムズ
Getty Images

9月8日(日本時間9日早朝)、テニス・全米オープンの女子シングルス決勝戦で大坂なおみとセリーナ・ウィリアムズが対戦した。元世界ランキング1位のセリーナは試合中に主審から何度か警告を受け、暴言を吐く場面が見られた。試合は大坂が勝利し、セリーナは優勝を逃した。

1度目は、コーチング(指導)の警告を受けた。客席に座っていたコーチがセリーナに対し、「ネットにもっと行くように」とコーチングをしたと見なされた。

2度目の警告は、ラケットを地面に叩きつけ、壊したことによって出された。

そして、セリーナが主審に対し「(ポイントを奪った)泥棒」と言ったことで、3度目の警告を受けた。この警告により、大坂には1ゲームが加算された。

コーチングで1度目の警告を受けた後、セリーナは主審の元に近づき、「ズルをして勝つんだったら、負けた方がマシ」と自身を擁護した。

そして、2度の警告を受けた後、セリーナは主審に対して不満を口にした。

「私は今までの人生で、一度たりともズルをしたことなんてない。娘がいて、その子のために正しいことをするの。私は悪いことはしてない、だから謝りなさい。そして、もう私の試合の審判はしないで」

また、これまでに男女差別を受けた過去を明かしたこともあるセリーナは、「いろいろと言ってくる男性がたくさんいる。だけど、彼らには何も起こらないのから、言えるのよ」と主張。自分の受けた警告は、男性選手に対しては与えられないと述べた。

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セリーナの受けた3度目の警告により、大坂には1ゲームが加算された。最終的に6-2、6-4で大坂が勝利、日本人選手初のグランドスラム制覇を達成した。

試合後の表彰式で、セリーナの全米制覇を期待していた地元ファンからはブーイングが起こった。セリーナは客席に対し、ブーイングではなく大坂のグランドスラム制覇を祝うように呼びかけた。

大坂は「みんな、セリーナのことを応援していたのをわかっています。こんな終わり方になって、ごめんなさい」と声を詰まらせた。それでも「プレーしてくれてありがとう」と涙ぐみ、憧れの元世界女王への敬意を忘れなかった。

試合が決まり、大坂と抱き合うセリーナ。
試合が決まり、大坂と抱き合うセリーナ。
USA Today Sports / Reuters

ハフポストUS版から翻訳・編集・加筆しました)

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