離婚後の未払い養育費、保証会社が立て替えます。兵庫県明石市が全国初のモデル事業

立て替えた養育費の未払い分は、保証会社が「債権」として相手から回収する。
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兵庫県明石市が11月、未払いの養育費を保証会社が肩代わりする、全国初のモデル事業を始める。

市が「保証会社」に業務を委託、養育費が滞った場合、「保証会社」が不払いの養育費(月上限5万円)をひとり親世帯に払い、その同額を「債権」として相手方から回収する。

離婚時に調停調書か公正証書で、養育費の支払いを取り交わしていることが申し込みの条件。市が、ひとり親世帯に代わって養育費1カ月分(上限5万円)を「保証料」として保証会社に支払う。2018年度はモデル事業と位置づけ、18世帯分の保証料として、90万円を当初予算に盛り込んでいる。

厚生労働省の「全国ひとり親世帯等調査」(2016年度)によると、ひとり親世帯の56%が、養育費を「受けたことがない」と答えた。

■「養育費未払いに一歩踏み出す」

市の市民相談室の担当者によると、市内の未成年の子どもがいるひとり親世帯は約2500いるという。担当者は、制度の背景や趣旨を次のように説明する。

「これまで市では子どもの不利益を軽減するために、離婚時の養育費の確保や面会交流などの条件を明記した『こどもの養育に関する合意書』のための参考書式を配り、養育費の取り決めを周知してきた。だが、取り決めても養育費を受け取れないことが少なくなく、子どもが習い事や塾に通えなかったり、親が収入確保のためにダブルワークを余儀なくされ、結果、体調を崩したり子どもとの時間が取れないという弊害が起きている。その解決策の一つとして今回、一歩踏み出すことにした。効果などを検証し、本格導入の可否を検討したい」

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