「新潮45がいくら休刊になっても…」連載中断のヤマザキマリさんが明かした思いとは?

漫画『プリニウス』の連載の場が無くなったことよりも、残念なことがあるそうです。
ヤマザキマリさん
ヤマザキマリさん
時事通信社

ノンフィクション雑誌『新潮45』の休刊が決定したことを受けて、同誌に漫画『プリニウス』を連載していたヤマザキマリさんが9月25日、心境を明かした。同誌には「性的マイノリティを差別する記事を掲載した」という批判が殺到していた。

ヤマザキさんは、同誌が休刊しても「火種となった文章を書いたひとたちが今までと変わりなく、あのような考え方を懲りずにどこかで晒していくのだろうか」と思いを馳せた上で「連載掲載の場が失われたことよりも、それがなにより残念だ」と公式Twitterで表明した。

休刊の経緯は?

18日発売の『新潮45』10月号は、「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」と題した特集コーナーを掲載。文芸評論家・小川榮太郎さんが「LGBT様が論壇の大通りを歩いている風景は私には死ぬほどショックだ」などと執筆した

LGBT当事者や文筆家の間で批判が広がり、新潮社での執筆を断る動きも出てきた。そうした中で、新潮社は25日「企画の厳密な吟味や十分な原稿チェックがおろそかになっていた」として『新潮45』の休刊を発表した

漫画「プリニウス」とは?

歴史漫画『プリニウス』は、『新潮45』2014年7月号から連載スタート。これまでに単行本計7巻が発刊されている。『テルマエ・ロマエ』などの作品で知られる漫画家のヤマザキさんが、SF漫画家のとり・みきさんとタッグを組み、古代ローマ帝国の博物学者、大プリニウスの生涯を繊細なタッチで描かれている。

同作品の公式Twitterによると、雑誌休刊により連載も中断される。再開に関しては、現段階では何も決定していないという。

ヤマザキさんは『新潮45』の休刊について触れた際に、10月号の『プリニウス』の最終コマの画像をTwitterにアップしていた。

イルカがジャンプする日没の海を見るローマの兵士と、ギリシャ人の書記と、フェニキアの少年。この絵の構図について「多様な文化や人種、思想を正面から受け入れるローマ社会を表現するためだった」と説明している。

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