ノーベル平和賞2018、「#metoo」が最有力候補に選ばれる

キム・ジョンウン労働党委員長とムン・ジェイン大統領のダブル受賞もありうるか?
カリフォルニア・ハリウッドで行われた、MeTooの抗議運動(2017年11月)
カリフォルニア・ハリウッドで行われた、MeTooの抗議運動(2017年11月)
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2018年のノーベル平和賞が、日本時間10月5日午後6時(現地時間午前11時)に発表される。

世界の平和促進に最も貢献した、個人か団体に送られる平和賞。地元ノルウェーの公共放送NRKは、最有力候補として「#metoo」を挙げた。

#metooは、性暴力の問題に光をあて、被害者をつなげるハッシュタグ。もともとは、アメリカの人権活動家タラナ・バークさんが2007年に始めた運動だ。

2017年にハリウッドのプロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの性的暴行問題が明らかになった後に、俳優のアリッサ・ミラノさんが「セクハラや性的暴行にあった女性たちが "Me too"と声をあげたら問題の大きさに気づくのでは」と呼びかけると、爆発的に広がった。

世界中の人たちが、#metooをつけてこれまで経験してきた性暴力を投稿し、この問題でどれほど多くの人たちが苦しんできたのか明らかにした。

NRKが予想する 2018ノーベル平和賞受賞者

  1. #metoo

  2. 圧力下での報道の自由

  3. 難民危機

  4. 人権擁護者

  5. 隣国との関係改善

NRKは#metooの受賞者として、過激派組織「イスラム国」(IS)に性奴隷として拘束された、イラク・クルド民族少数派ヤジド教徒のナディア・ムラドさん、イラクで女性たちにシェルターを提供してきた人権活動家のヤナル・ムハンマドさん、コンゴ民主共和国で性暴力被害者への医療に取り組んできた、婦人科医師のデニ・ムクウェゲさんを予想する。

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■ それ以外の予想は?

一方、イギリスのブックメーカー「ラドブロークス」が予想する最有力候補は、北朝鮮のキム・ジョンウン労働党委員長と、韓国のムン・ジェイン大統領だ。

ラドブロークスが予想する、2018ノーベル平和賞受賞者

  1. キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長とムン・ジェイン大統領

  2. ドナルド・トランプ大統領

  3. カルラス・プッチダモン前カタルーニャ州首相

  4. UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)

  5. アンゲラ・メルケル首相

  6. ノヴァヤ・ガゼータ(プーチン政権に批判的なロシアのタブロイド紙)

  7. フランシスコ・ローマ法王

  8. ライフ・バダウィ(サウジアラビアのブロガー)

受賞の理由として、二人がこれまでに3回会談して、両国の関係を改善に積極的に取り組んでいることをあげる。

手をつなぐムン・ジェイン大統領とキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長。2018年9月19日北朝鮮・平壌で撮影。
手をつなぐムン・ジェイン大統領とキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長。2018年9月19日北朝鮮・平壌で撮影。
Pool via Getty Images

また、毎年予想が注目される、ノルウェーの「オスロ平和研究所」が選んだ最有力候補は世界食糧計画だ。

オスロ平和研究所が予想する 2018ノーベル平和賞受賞者

  1. 世界食糧計画(WFP)

  2. デニ・ムクウェゲ医師、ナディア・ムラドさん、タラナ・バーク

  3. SOSメディテラネ、国境なき医師団、国際救済委員会、

  4. オビー・エジクウェジルと採取産業透明性イニシアティブ

  5. 国境なき記者団

オスロ平和研究所は「人道面で取り組むべき最大の課題の一つである飢餓に取り組んできた」ことを、WFPを最有力候補にした理由として挙げる。

2018年のノーベル平和賞は、これまでで2番目に多い331(216人の個人と115団体)の候補から選ばれる。

2017年は国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」だったが、果たして2018年の平和賞は誰の手に?

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