あの人のことば
2018年10月05日 07時30分 JST

「自分を貫いたからこそ、人生が切り開けた」 りゅうちぇるが発信しつづける理由

「わかってくれる人はわかってくれる、って信じています」

HuffPost Japan

天真爛漫なキャラクターで、人気を集めるタレントのりゅうちぇるさん。自分らしいスタイルを貫き、SNSでは意見もはっきり言う。妻ぺこさんと長男リンクくんの名前のタトゥーを腕に入れたことを公表したことは、賛否両論だった。

それでも、自分の意見を伝えていきたい、とりゅうちぇるさんは話す。まわりの目を気にして自分を偽り、苦しんだ沖縄での中学生時代が自分の「土台」になり、「支え」になっているからだ。自分を貫く理由は何なのか? りゅうちぇるさんに聞いた。

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りゅうちぇるは、なぜ「発信」するようになったのか

ーー最近のりゅうちぇるさんは、歌の活動やSNSで、自分の考えを積極的に発信しています。

3年くらい前からテレビに出るようになって、最初は「たくさんテレビに出たい」とか、「テレビを見ている人みんなにハッピーを届けて笑ってほしい」と思っていました。

でも、坂上忍さんとブラマヨ吉田敬さんの討論番組(「好きか嫌いかいう時間」TBS系で2016〜2017年放送)にレギュラー出演したのをきっかけに、自分の意見をしっかり伝えよう、と思うようになりました。

オファーを受けた時、最初は「りゅうちぇるが討論番組に出る」のはちょっと嫌で。「テレビの中にいるりゅうちぇるの理想像」みたいなものは自分なりに持っていて、自分の意見をまじめに言うのは、それに当てはまらないかもと思ったんです。

でも、いざ挑戦してみたら、すごく反響がありました。「こういうことを思ってたんだ」とか、「ハッピーのバックグラウンドにはそういう経験があったんだね」って意見をたくさんもらいました。

こういうハッピーの届け方もあるんだ、みたいな。それまでの僕はテレビで笑わせることしか考えていなかったけど、それ以外にも、自分の意見を言うことで誰かがポジティブになれるような影響力がメディアにはあるんだ、と気づきました。

誰かのためになるような発言をする

討論番組は、すごく充実感と達成感があったお仕事でした。

最初は「大人の人怖いなぁ」と思ってたんですけど...。(笑)坂上さんも吉田さんも、若い子の意見をすごくほしがっているというか、しっかり聞いてくださったんです。

テレビのいいところって、若い子は「若い子枠」、大人の男性だったら「男性枠」とか、いろいろな「枠」の人が同じ空間に集まってそれぞれの意見を言い合ったり、それを視聴者の方に見てもらえたりするところにあると思っています。

僕とか、若い世代は「ゆとり世代」ってくくられがちで。自分で言うのもなんだけど、たまに「ゆとり世代の割にはしっかりしてるところあるぞ」とか思っちゃう自分もいるんだけど...。(笑)

だからこそ、自分の意見を聞いてくれた時はすごく嬉しい気持ちになりましたし、より真剣に考えて、誰かのためになるような発言をするんだ、と思っていました。だんだん、自分の経験は無駄ではなくて、話せることもいっぱいあるな、と思えるようになった。

でも、テレビでは自分の発言がカットされることもあるし、編集もされる。言葉がすごくキツく受け止められてしまったり、強く言いたいところをできる限りやわらかくしようとした結果、違うニュアンスになってしまったりもします。

自分の意見を発信するところではしっかり発信したいので、討論番組のレギュラーが終わったタイミングで、「RYUCHELL」として歌の活動をはじめました。自分でプロデュースができる歌の仕事なら、言いたいことを音楽に合わせてナチュラルに伝えられるし、洋服やメイクで自分を偽らずに、自分らしくいつづける姿も見せられる。

「Link」/ RYUCHELL

だから、それぞれの仕事で自分の見せ方や表現の仕方は違うかもしれないです。「わかってくれる人はわかってくれる」と信じつつ...。テレビに出る時は、テレビの世界の中で、見ている人みんなが笑ってくれるような、明るい雰囲気を作れたらいいなって思っています。

「わかってくれる人はわかってくれる」と信じる

ーー発信すればするほど、反響も大きくなっていくと思います。発言する「怖さ」は感じませんか?

自分の発言には責任を持たなくてはいけないので、発信する内容にはすごく気をつけています。自分の発言が大きく広がっていくものだという意識も持っていて、それをわかった上で発言をしています。

でも、だからといってセーブをかけてしまったら、僕が思っていることとか、伝えたいことが伝えられない。

せっかく表現できるお仕事をしているのに、自分の気持ちを伝えないで、何も変わらない世の中は嫌なので...。だからこそ、僕にできること、言えることについては、常に発信し続けたいな、と思っています。

自分のTwitterやInstagramに付いたコメントには、全部目を通しています。批判的な声は、テレビに出させていただくようになった直後からあって。でも、自分を貫いてしっかり生きていったからこそ、自分の考えについて話すようなお仕事の依頼をしていただいたり、自分の人生が切り開けるようになりました。

今は、わかってくれる人はわかってくれる、って信じています。メディアやSNSでいろんな書かれ方をしても、わかってくださる方は絶対いると思っているので、そこを信じて...。応援してくれる人のことを、ただのファンだと思っていません。みんながいるから頑張れて、みんなから強さをもらう瞬間がたくさんあります。

あとは、ぺこりんの支えも大きいし、自分の経験も支えになっています。

中学生の時、孤独になるのが怖くて、みんなの声や視線に合わせて生きるようにしたら、すごくつまらなかったし嫌だった。自分を偽っていることがすごくストレスで、自分がわからなくなってしまって。自分らしくいられる居場所を見つけるために、高校に入ってからTwitterをはじめて、原宿に上京しました。

今の僕はぺこりんとリンクを守るために、自分を見失っている暇もない。仕事の場面でも自分らしく進まなきゃいけないと思っています。

日本財団提供

<9月8日は、日本財団と渋谷区が主催したフォーラム『日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2018』の分科会にりゅうちぇるさんが登壇。「『性別』ってなんですか?」をテーマに、男女という性別の「枠」にとらわれない多様な生き方についてゲストスピーカーたちと語り合った。>

「自分をわがままさせてあげる」ことも大事

ーーりゅうちぇるさんは、「自分らしくいつづけられる居場所を見つける」ことが大事というメッセージを一貫して伝えています。ただ、自分らしくいるためには行動力や勇気もいる。どうしたらその勇気を持てますか。

僕は、偽らない自分を出していくことで、自分に自信が持てるようになりました。夢を見つけた時は「僕ならできる」と思っていて、ポジティブにバイトをしてお金を貯めて、「ほら、こんな僕は見たことないでしょう、東京に行って絶対何かやってやる!」っていう自分の自信だけで、何も根拠もないまま上京したんですね。

行動したあと、何が起きるかわからないですよね。だからこそ怖いし、不安もあると思うんですけど、じゃあ、「いつになったら行動するんだろう?」って思うんです。

考えることも必要だし、「勢いでやっていい」とまでは言わないけど...。でも、自分をまず試す機会が、人生の中で何回もあっていいんじゃないかな、って思います。

試さずに「できない」と言わず、まず試してみる。ダメだった時に見えてくる世界があるし、よかったら見えてくる世界もある。まず試してみて、自分のことをわかってあげないといけないのかな、と思います。

それでうまくいかなかったとしても、絶対に自分を責めたりしないで、「合わなかったんだ」と思ってそのあと環境を変えてほしいです。自分を甘やかすことも大切だから。「自分をわがままさせてあげる」ことも、すごく大事だなって思います。たまには自分が思うままに、わがままにやってもいい、ってすごく思います。人生一度きりだし...。

「来世はこうしたい」とか、「前世で運を使い果たしたのかな」とか言う人は、僕は苦手なんです。幸せになるのが怖くて、自分で幸せにならないようにしているとしか見えなくて。

でも、幸せは掴みにいかなきゃ。

ディズニー映画の『白雪姫』(1937年公開)とか『シンデレラ』(1950年)の時代は、お姫様が王子様を待っていたけど、『リトル・マーメイド』(1989年)のアリエルの時代から、王子様を追いかけるじゃないですか。だから、今は幸せは自分で掴む時代だと思うんです。

今やってみないなら、何年経ってもできないと思うし...自分の人生は自分次第で変えられると思います。

僕は上京しなかったらこうなっていないし、ぺこりんとも出会えてなかった。もう少し遅かったら、その時にはぺこりんに付き合っている人がいたかもしれない。自分でタイミングを逃してしまうことって、本当にもったいないと思うんです。

HuffPost Japan

何を言われてもハッピーに返す。必ず誰かが見てくれている

ーーりゅうちぇるさんは、何があっても明るくて、ハッピーを届けようとしている印象があります。

でも、それは大人になってからで...。学生時代は、攻撃的になってしまった時期もありました。つらい気持ちとかモヤモヤをどこに発散すればいいかわからなかったし、すごくまわりに対して攻撃的にもなっていました。

バイト先は大人の人が多くて、その人たちに相談したらちょっとスッキリしたけど...学校で会うのは、みんな同い年の同級生だから。「何でそんなこと言うんだ、ガキ!」って思ったことが、そのまま態度に出てしまったりもしました。

でも、僕が態度に出しても、それで生まれたものは何もなかったんです。いいことは生まれない。だから、大人になってからそういう態度を取ることはなくなったし、何か言われても「あはは」ってハッピーに流しています。そういう一面を必ず誰かが見てくれていると思うし、逆に、態度に出したとしても誰かが見ていると思います。

でも、外でうまくかわそうとしている分、モヤモヤを家に持ち帰ってぺこりんと発散させてるから、外でいい子ちゃんできるのかもしれないです。(笑)やっぱり、ぺこりんと発散できる居場所があるから。

ーー8月リリースの「Link」では、長男のお名前に対して「キラキラネーム」と一部からあがった批判を「キラキラなこの世界」という歌詞で表現して、ポジティブに返していました。

ヒャダインさんが作詞作曲をしてくださったんですけど、僕は最初、リンクの歌を歌うならまずはぺこりんへの感謝の気持ちを歌いたいと思っていました。ぺこりんへの感謝の気持ちとリンクに伝えたいことをバーって作文に書いて、ヒャダインさんにお渡しして。

そうしたら、それを見事に歌詞にしてくださいました。

僕は最初に聞いたときは、ノリで「キラキラ」というワードを入れただけだと思っていたんです。そのあと、ヒャダインさんからあえて「キラキラ」という言葉を入れたと教えてもらいました。

▼「Link」歌詞より一部抜粋

キラキラ☆☆なこの世界 輝かせるのは
小さな 勇気なんだよ
恥じる ことは 何もないよ
信じた道を 信じていこう
髪の色 服装で 人は決まらない
大事なのは ハート
君は君で いいんだ Yeah
ようこそ この世界へ! キラキラキラ☆☆☆

自分で言うのもなんだけど...こういう歌詞って、僕たちへの愛がないと作られないようなものだな、って思うんです。本当にストレートで素敵な歌詞を作ってくださって。ヒャダインさんに感謝って感じです。

誰かの才能が僕のメッセージを伝えてくれるというのは、初めての経験でした。今までInstagramやTwitterに投稿する時は、自分だけで作った言葉を発信していたけど、僕の気持ちをもっと伝えられるように音楽を合わせてくれて。本当に嬉しかったです。「Link」はすごく幸せな気分になりながら歌えます。

中学生の時はこんなにキラキラした世界じゃないと思ってたんだけど、自分がキラキラすることによって世界がキラキラするんだって。結局自分次第なんだ、ってすごく思いますね。聞いてくれた人には、そういうメッセージを伝えたいです。

 ◇

10月17日(水)には、新曲「Diversity Guys!」が配信リリースされることも決定した。

歌詞には、"自分らしくいられる居場所"がまだ見つからない人を励ますように、「全然ヘンじゃない 輝いてる」「誰だって最初は弱いんだ でも乗り越えていくほど輝くよ」というフレーズが並んでいる。

前向きなメッセージを誰かに届けるために、発信しつづける。りゅうちぇるさんのチャレンジはまだまだ続く。