カナダで大麻解禁、先進国初 ⇒ 外務省は邦人に注意喚起「手を出さないで」

「海外でも大麻取締法が適用されることがあります」
大麻販売店で大麻を購入する若者
大麻販売店で大麻を購入する若者
MARTIN OUELLET-DIOTTE via Getty Images

カナダは、先進国として初めて嗜好品としての大麻の販売と利用を合法化した。10月17日に解禁され、全土の大麻販売店が開店。店頭には、大麻を購入する人たちが一斉に列をなした。

カナダ議会は6月21日までに、大麻を合法化する法案を可決した。

BBCによると、21歳以上の成人はライセンスを取得した販売店で大麻を購入できるようになり、30gまでの大麻の所持が認められる。さらに世帯当たり4株までの大麻の栽培が認められる。

カナダでは、医療目的での大麻使用は2001年に合法化された。嗜好用としての大麻の合法化は、カナダのジャスティン・トルドー首相が2015年の総選挙で掲げた公約の一つだった。

犯罪組織への資金源を断絶し、非合法で使用されていた大麻の栽培、流通、販売を規制下に置くことが目的という。トルドー首相自身も、かつて大麻を数回使ったことがあると認めていた

嗜好用大麻の合法化は、先進7カ国(G7)の中では初めて。世界ではウルグアイに次いで2番目となる。隣国アメリカでは、首都ワシントンやカリフォルニア州、コロラド州などの9州で合法化されている。

未成年者の大麻使用を防ぐ効果などが見込まれる一方で、健康被害への懸念も根強い。大麻の使用をきっかけに依存性が高い薬物に手を出してしまうケースもあり、医療専門家などから強い反発も出ていた。

ロイターによると、大麻合法化に多くの州政府は慎重な姿勢をとっているという。大麻入り食品などの解禁は1年先としており、カナダ最大の都市トロントやバンクーバーでは、大麻小売店はまだ開店していないという。

日本では大麻取締法で、大麻の所持や購入を含む譲渡が違法とされ、処罰対象となっている。

この規定は海外で行われた場合であっても適用されることがあるとして、外務省の在バンクーバー日本国総領事館は、在留邦人や日本人旅行客に向けて、「日本国外であっても大麻(大麻を含んだ食品・飲料についても同様)に手を出さないように十分注意願います」と呼びかけている

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