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2018年11月29日 20時38分 JST | 更新 2018年12月04日 17時06分 JST

日本初の乳児用液体ミルク、グリコが発売へ。使命は「赤ちゃんの命をつなぐこと」

北海道地震の被災地では、ほとんど使用されず。国産品での普及に期待

ついに、日本初の乳児用液体ミルクが誕生することになった。

江崎グリコ(大阪市)が、乳児用の液体ミルクを2019年春にも発売する見込みだ。原料の種類や配合などについて厚労省から承認されて、消費者庁から特別用途食品の表示許可を得れば、国内初の販売となる。紙パック入りで常温で6カ月間保存できるという。

HuffPost Japan
グリコ製の乳児用液体ミルクの試作品(2018年11月29日撮影)
 

■災害時の備えとして注目集まる

乳児用液体ミルクは、牛乳由来の原料に栄養を加えたもので、成分は粉ミルクと同じ。粉ミルクと違ってお湯で溶かす必要がなく、封を切ればそのまま飲めるため、災害時の備えとして注目されている。

2016年の熊本地震の救援物資としてフィンランド製品が使われたことで、液体ミルク解禁を求める声が母親たちから高まった。こうした動きを受けて、8月に国内販売が解禁された。

グリコでは熊本地震をきっかけに国内でも製造できないかと開発を進めてきた。同社マーケティング本部の水越由利子さんは11月29日に都内で開かれた説明会で、「赤ちゃんにとって母乳が最良の栄養ですが、母乳が与えられない状況でも、液体ミルクであればすぐに適切な栄養を与えることができます」とアピールした。

数秒〜数十秒という短時間で殺菌するため、海外製品に比べて母乳に近い白色になっているのが特徴だ。

朝日新聞デジタルによると11月20日、日本栄養士会は2018年内に液体ミルク利用のガイドラインをまとめ、自治体へ備蓄を呼びかける計画を発表。東京都文京区も、グリコ製品約2000個を災害用に備蓄する計画を発表することになった。液体ミルクの普及に向けた環境は整いつつある。

 

■北海道地震では、ほとんど使われず。

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グリコ製の乳児用液体ミルクの試作品(2018年11月29日撮影)

ただ、液体ミルクの安全性が、未だに周知されているとはいえない状況だ。9月6日に発生した北海道胆振東部地震の際には、東京都が救援物資として、フィンランド製品1050個を北海道庁に提供して被災地に配布された。しかし、道庁が「使用する上での注意点」などを列挙した文書を保健所などに通知した結果、被災地で液体ミルクはほとんど使われなかった

ハフポスト日本版は、北海道地震で液体ミルクの使用自粛が起きた件についてどう思うかを、11月29日の説明会で質問した。江崎グリコの広報担当者は以下のように答えた。

「災害大国の日本としては、今後も震災が起こりうる可能性があります。液体ミルクの重要な役割としては、赤ちゃんの命をつなぐこと。弊社としても普及を支援しながら、そのような事態が起きないようにモノと情報の両面でサポートしていきたいと思っています」