世界中で泊まり放題・働き放題のサービス「HafH」が登場へ。目指すのは「現代の出島」

九州、東京、大阪など国内のほか、マレーシアやベトナムなどアジアにも契約先の施設を増やしていく。
HafHの大瀬良さん
HafHの大瀬良さん
Ryota Nasu / HUFFPOST JAPAN

日本や世界各地のゲストハウスなどを転々としながら仕事ができるサービスが2019年から始まる。

1カ月あたり数万円を支払えば、日本やアジアなどの契約先の施設に泊まったり、仕事をしたりすることができる。「働き方改革」が注目を集める中、世界各国に「自分の居場所」ができそうだ。

日本の地方にふらっと仕事をしに来る外国人を増やすことで地域活性化に繋げる狙いもある。

サービス名は、「HafH(ハフ)」。Home away from Home(第2のふるさと)のアルファベットの頭文字からとった。地元から離れた場所でも、自宅や通い慣れた職場のように過ごして欲しいという思いを込めた。

利用する場合、三つのプランがある。12月7日夕の時点で、どこでも泊まり放題の「いつもハフ」プランが月額8万2000円。毎月10日まで泊まることができる「ときどきハフ」プランが月額3万2000円、泊まらずに仕事だけをする「はたらくハフ」が1万2000円だ。2019年以降に、専用のアプリができ、予約や決済機能もつけることを検討している。

ハフを運営する「KabuK Style」はまず2019年1月8日、長崎市に第1号の契約施設をオープンする。1階がカフェ、2階が仕事をすることができる「コワーキングスペース」、3階が宿泊場所になる。九州、東京、大阪など国内のほか、マレーシアやベトナムなどアジアにも契約先の施設を増やしていくという。同社は、今後2〜3年で100拠点以上にする目標だ。

KabuK Styleはクラウドファンディングサイト「Makuake」で資金を集めている。12月7日夕現在、約600万円集めており、資金は今後の事業拡大に使うという。

■「外の世界を知ることが大事」

なぜこんなサービスを始めたのか。「働き方改革」を進めたいという理由の他に、KabuK Sytle共同創業者の大瀬良亮(おおせら・りょう)さんは「現代の『出島』を作りたい」と話す。出島は、鎖国をしていた江戸時代に、日本の数少ない貿易相手であったオランダの商館が置かれた地域だ。大瀬良さんの出身地でもある。

大瀬良さんは「海外との繋がりがあった出島は、外の空気と地元の文化が混じり合いオリジナルの風土が生まれる装置だった」と語る。

地方は「ヨソ者」の価値観が入ることで新しい文化が生み出される、というのが大瀬良さんの考えだ。広告代理店に勤める大瀬良さんは、仕事とは別に、空いた時間に、五島列島の高校生をビデオ会議で東京の知人と引き合わせることもしている。「地方の人々が最先端のデジタルツールを知るだけで価値観が変わることもある。外の世界を知ることが大事なんです」と語る。

ハフによって日本や世界の人々が、仕事や旅行などでお互いの土地を行き来することで、異文化に触れる機会を増やしたいという。長期滞在の人と、地元の人とが交流できる仕組みを作ることも考えている。

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