あの人のことば
2018年12月10日 07時40分 JST | 更新 2018年12月10日 11時13分 JST

ベッキー、デビュー20周年。今だから語れる仕事観、結婚観、そして…。

「結婚しても、しなくてもいい。いつも心に2パターンの選択肢を」

おとなしそうな少女が写った一枚の写真。

ベッキーが芸能界デビュー20年の節目に、投稿したものだ。

ベッキー公式Twitterより
「OHAー!から始まった芸能生活。これからも一歩ずつ前進します」とつづった。

ベッキー本人なのは一目でわかるが、なんだか印象が違う。浮かべた笑みはぎこちないし、ポーズも元気がない。

おめでたい記念日に、どうしてこんな写真を選んだのだろうか?

本人に直接話を聞きに行くと、仕事観から、恋愛・結婚観まで、彼女の話は果てしなく広がっていった。

HuffPost Japan
12月3日、デビュー20周年を迎えたベッキーさん。これまで仕事をしたメディアや企業から数十にのぼる祝福コメントが届いた。

「どうせ載せるなら、笑えるような写真がいいじゃないですか。デビュー当時の、笑顔が下手で、全っ然うまく笑えてないこの写真が面白いなと思って選びました」

投稿した写真について、本人の答えはあっけらかんとしたものだった。

20周年を祝福してくれた多くのファンや関係者への"アンサー"として、「笑える写真」を選んだのだという。

14歳だった「OHAガール」は34歳になった。この時のあどけない表情は、もうない。ずっとトレードマークだった「黒髪ロング」からも卒業した。

ベッキーが髪を切ったのは、約半年間の休業期間の直後だ。復帰後、最初の仕事となった宝島社の広告撮影で、自分自身に課していた「ベッキールール」を壊した。

「ずっと"黒髪ロングのベッキー"を維持しなきゃいけないと思っていたのに、いざ髪を切ったら、周囲の人に『こっちの方がいい』って言われた。何だか力が抜けました。『え〜そうなの? だったらもう、一個一個ルールを外していっちゃうよ?』って思いました(笑)」

「変わりたいと思った人がちゃんと変わっていくには、周囲の存在がすごく大事なんですよね。私も、髪を切ること自体は自分で決断したけれど、周りの人に『今、変わるチャンスじゃない?』と言っていただいたことが小さなきっかけになっていたと思います」

何気ない一言かもしれない。でも、時にはそれが大きな支えとなる。彼女はこうも語る。

「いざ髪を切った時に『いいじゃん』と肯定してくれる人の存在も大きかった。ちょっとしたサポートだけど、誰かが背中を押してくれることって、すごく大事」

Jun Tsuboike/HuffPost Japan
ベッキールールから"卒業"した彼女は「自分を縛っているのは、実は自分自身なんですよね」と語る。

復帰後、バラエティ番組の出演本数は以前に比べて減ったが、逆にファッションブランドとのコラボや、映画出演、アート作品の個展を開くなど、マルチな活動が増えた。

「やっぱり、いろんな顔を見せたいって思うんです」とベッキーはいう。

「『ベッキー第1章』と呼んでいる以前の自分は、いつも安定した、決まったベッキーを見せようとしていました。でも『第2章』を歩んでいる今は、決まった私じゃなくて、いろんな私を見せたい。いま撮影中の役も、ここでは言えないような、みんながビックリするような激しい役です(笑)。そういう意外なことにどんどん挑戦したい」

2018年、自身初となる個展「空へと」を開いたベッキーさん。描き上げた作品を定期的にInstagramに載せている。

いつでも2パターンの未来予想図を描く。

ベッキーが使う「第2章」という言葉に共感を寄せる同世代の女性は多い。SNS上では、結婚や出産というライフイベントに触れながら、「私も今、第2章だ」などといった投稿が見られる。

しかし当の本人は、結婚や出産について、「あまり深く考えすぎないようにしている」という。

現在の恋愛に関しては「(相手の)存在自体がお守りみたい」とベッキー。「色んな気持ちになることで、想像力に幅が出て、こんなにお芝居に感情移入できるんだということが驚き」と、順調そうな関係を語ってくれたが、結婚に向けてまっしぐらというわけでもなさそうだ。

「私が恋愛の話をしていること自体で、本当に嫌な気持ちになる方もいると思うので、あまり語るべきではないと思うんですけど...」と前置きをした上で、独自の結婚観をこう語る。

「私は常に2パターンの人生を考えています。もしずっと独身ならこう生きていこう。もし結婚するならこうしよう、という風に」

「元々、結婚が"勝ち"、ずっと一人でいる人生は"負け"という風潮がすごく嫌いなんです。一人で生きていくのも、二人で生きていくのも平等に、同じ幸せと、同じ大変さがあると思っています」

Jun Tsuboike/HuffPost Japan
独身は"負け"というプレッシャーは「無視しましょう」と笑うベッキーさん。

「『絶対に結婚したい』と、その道しか考えていない人は、焦りが生まれたり、他人の言葉をプレッシャーに感じたりするかもしれません。自分で生きにくい状況を作ってしまっている部分もあるから、最初から『私、2パターンの道を考えてます』って宣言しちゃうと楽だよって思います」

この考え方は、出産や子育てについても同様だ。

「子供がいる人生もいない人生も、まったく同じぐらい幸せで大変なんだと思っています。だから年齢を重ねても、出産の年齢的なリミットに対する焦りはないですね。どこか、神様が決めてくれる未来を待っているような受け身感があります。一個に絞っちゃうとそれが叶わなかった時にグサってくるだけだから、自分を傷つけないための予防法でもあるんですけどね」

そうやって心の中で2つの未来予想図を描いているベッキーだが、「仕事は一生続けます」と断言する。

もし子供がいない人生なら、タレントを続けながら、ずっと夢だった雑貨のセレクトショップを持ちたい。子供がいる人生を歩むことになってもタレントは続ける。「産後1ヵ月で仕事に戻ってきちゃう可能性もあります。もしスタッフさんがOKなら、子供を現場に連れていけたらいいなぁ」と語る。

Jun Tsuboike/HuffPost Japan
「でも、最後に決めてくれるのは神様かな〜」

働く、ということを前提にしたうえで、女性は結婚や出産についてどんな選択肢を持てるのか。芸能界にも大きな変化の気配が芽生えているという。

「最近、芸能界もすごく変わってきていると感じます。デビュー当時にはあまり見かけなかったけど、今ではテレビ局にお子さんを連れてくる方もかなり増えている。これまでの常識にとらわれすぎず、色々な方法を認めあっていくのが大事だなと思います」

悲しい言葉はスルーして、嬉しい言葉を受け止めて。

こんな風に、これからの人生について明るく語ってくれたベッキー。だが、週刊誌報道をきっかけにはじまった、SNSなどでのバッシングの余波はまだ続いている。

一度でも"つまずく"と、いつまでも心ない言葉を投げつけられる。そんな現実を、かつての好感度No.1タレントは、どう受け止めているのか。

「ネガティブな意見を見ても、実は納得できるものばかりなんです。例えば『ベッキーがでしゃばっててウザい』というつぶやきを見ると、改めて自分を振り返って『うーん、確かにそうだよね』と納得してしまう。そんな時は自分のSNSでの投稿のテンションを少し抑えめにしたりして、なるべく反省を活かすようにしています」

「あとは『一切顔を見たくない』という意見も。『だよね』って納得しちゃう(笑)。そりゃあ人には好みがあるから、その人は私のことが好きじゃないっていうだけのこと。それに対して『ひっどーい!』とは思いません。「ストレス発散の場」として私が選ばれたのかもなぁと思うし、それで終わり。いずれにせよ、その言葉に、ある意味で納得できるから、傷ついたりはしないです」

Jun Tsuboike/HuffPost Japan
「嬉しい言葉がすーっと入ってくるんです」

心無い言葉に耐えきれず、SNSを辞めてしまう人もいる中で、ベッキーは、こんな提案をする。

「正直、私への悪口というのも、ある程度パターンが決まってきている部分があります。最初はやっぱり傷ついたけど、段々と読んだことのある悪口として仕分けされてくる。逆に嬉しい言葉の方が、自分の中にすっと入ってきます。

今の人たちって、嬉しい言葉をスルーして、悲しい言葉を深刻に受け止めちゃう。でも逆なんです。『悲しい言葉はスルーして、嬉しい言葉をしっかり受け止めて』って伝えたいですね」

  *  *

他人の批判をきちんと受け止め、聞くべきところは聞きながらも、自分の大切にしているところはきっちりと守る。

ちょっとした工夫や気の持ちようで道を切り拓いていく。

それはベッキールールに忠実だった第1章の時のように、ひたすらにガムシャラな歩みではない。走ったり止まったりスローダウンしたりしながら、それでも前に進む。そんな彼女だからこそ、多くの人たちから「デビュー20年おめでとう」のエールが送られたのだろう。

HuffPost Japan
テレビ東京の祝福ツイートに対して「驚いたし嬉しかった。やっぱりここが古巣だし、ここから私はスタートしたから」とベッキーさんは語った。

インタビューの最後に、「30周年を迎える時の、44歳のベッキーさんはどんな女性になっているんでしょう?」と尋ねると、彼女は大きく笑って肩をすくめた。

「もう40代ほんっと最高ですよ〜! とか言っちゃってそうです。我ながら、想像するだけでうざいですね(笑)」

自然体な笑顔を浮かべるベッキーの21年目の挑戦が、かろやかに幕を開けている。

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