ロシアのプーチン大統領、東ドイツの秘密警察から身分証を与えられていた。いったい何のため?

ソ連のスパイだったことは知られているが…
シュタージが発行したプーチン氏の身分証=シュタージ記録局より
シュタージが発行したプーチン氏の身分証=シュタージ記録局より
シュタージ記録局

ロシアのプーチン大統領がソ連の国家保安委員会(KGB)将校だった1980年代、当時の東ドイツの秘密警察「シュタージ」から身分証を発行されていたことが明らかになった。12月11日、現物を保管するシュタージ記録局が発表した。

プーチン氏はKGBのスパイとして1989年から1990年にかけて当時東ドイツだったドレスデンに勤務。政治分野の諜報活動に当たっていたことが知られている。

KGB職員時代のプーチン氏の活動を解き明かす手がかりになりそうだ。

身分証が見つかったシュタージ記録局は、シュタージ関連の文書などを保管・研究している。

身分証には、表にはプーチン氏の名前や生年月日が正しく書かれていたほか、出身地のレニングラード(現在のロシア・サンクトペテルブルク)や勤務地ドレスデンも明記。身分は「少佐」となっていた。

裏には身分証が更新された印としてスタンプが押されており、1986年から1989年にかけて年4回ずつ更新されている。

1989年で終わっているのは、この年、東西冷戦の象徴としてドイツを東西に分断していた「ベルリンの壁」が崩壊し、ソ連の影響力が失われたことが関係しているとみられる。

シュタージ記録局の広報担当者がCNNの取材に語ったところによると、プーチン氏は身分証の発行を受けたことでシュタージ関連の施設に出入りし、KGBとの連絡役だったと考えられるという。

担当者は「東ドイツの15の地区では、KGBから派遣された職員はこうした身分証を受け取っていた。プーチン氏に限ったことではない」と話した。

その上で、「身分証があるからといって、プーチン氏がシュタージの仕事をやっていたことを意味するものではない」とも述べた。

ロシアのラジオ番組「モスクワのこだま」によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は「ソ連時代、KGBとシュタージは協力関係にあった。従ってそのような身分証を相互に発行し合ったことは否定できない」と語った。

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