「恋人が欲しい。誰でもいいわけじゃない。でも誰と…?」マッチングアプリ「Pairs」の新しい出会いの形とは?

恋人は欲しいけれど、理想や条件に見合う人じゃないとイヤな人へ。
Aiko Kato

共働き世帯が増え、働き方改革も進む今、恋愛や結婚のあり方はどう変わる? そんな問いについて話し合うセッション「自分にとっての"ハズレ"を知ることから始める、出会い方改革」が11月末、都内で開かれた。

社会の多様性や女性の活躍などについて考える催し「マッシングアップ」の一環。マッチングアプリPairsを展開する株式会社エウレカCTOの金子慎太郎さん、少子化ジャーナリスト・作家の白河桃子さん、主催する株式会社mashの中村寛子さんが登壇した。

結婚が「当たり前」でないからこそ、ハズレを引きたくない

セッション冒頭では、白河さんと金子さんがそれぞれの立場から、20~30代女性の恋愛や結婚に対する価値観の変化を説明した。

白河さんは2008年に、山田昌弘氏との共著書『「婚活」時代』を発表し、世の中に"婚活"という言葉を浸透させた。以来10年で「時代とともに結婚の価値が変わっている」と指摘する。

2017年、ゼクシィが"結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです"というコピーを打ち出したことに言及。「結婚は当たり前ではない時代。『する・しない』を選ぶ時代になったからこそ、ハズレの結婚はしたくないという意識が強まっている」と語った。

金子さんは、エウレカが18~65歳の独身男女約3000人へ実施したアンケート調査の結果を発表した。

※エウレカの調査では、大半の人は恋人が欲しいと思っている

調査によると、「交際相手が欲しい」割合は男性、女性ともに9割を超えている。ただ、「理想的な人がいれば欲しい」「ある程度条件が良ければ欲しい」が大半を占め、当然ながら「誰でもいいから欲しい」という割合はとても少ない。パートナー選びには自分の望む理想像や条件が大切であるために、逆に「自分の望み」が分からないことが理由で、パートナーを探せないケースも多いという。

Pairsには、身長や体重、年収といった条件ではなくライフスタイルや価値観を表す「コミュニティ」という機能があると紹介。「『好きになったら一途』とか『歳をとっても手を繋ぎたい』とか。まず本心を伝えるところから始まる恋愛や結婚を、テクノロジーの力で支えたい」と語った。

「ハズレ」を選ばないために「アタリ」を明確にする

セッション後半では出会いの「アタリとハズレ」がテーマになった。白河さんは「ハズレっていうのは本当に人それぞれ」と強調する。

「例えば、昔は男性が稼いで家庭を支える『大黒柱型の結婚』だったから、収入があることが一つの条件になっていた。でも、今の働く女性のコアバリューはさまざま」(白河さん)

コアバリューとは、主にビジネスで使われる言葉で、企業やブランドが持つ核となる価値観のことだ。

「仕事と子育てを両立したいなら、家庭にきちんとコミットしてくれるパートナーでなければいけない。逆に仕事を優先したいから、家事や育児を多めに担ってくれるパートナーがいい人もいる。旧来の結婚観に左右されず、自分の中の『アタリとハズレ』を見極めたほうがいい」(白河さん)

出会いたいなら「コア」を攻める

最近、知人が立て続けにPairsでパートナーを見つけたと語る白河さんは「とにかく出会って、幅広い中からよりよい人を選ぶのが婚活だと思っていませんか」と呼びかけた。白河さんの知人は、「あまりメジャーでない好きなバンドの名前」や「自然農法」など、コアなキーワードでコミュニティを探して登録したところ、自分に合うパートナーを見つけることに成功したという。

Pairsの登録会員は累計で約800万人以上と大規模だ。金子さんも、データで見ても「ニッチなコミュニティのほうがマッチングがしやすいことがある」と語った。

Pairsはプロフィールとして登録された情報やアプリ内での行動履歴などのデータを活用し、相性がよさそうな相手をリコメンドする機能も備えている。「平均20個ほどのコミュニティに入ると、マッチングが成功しやすい傾向もある」と金子さん。「希望条件や好みの傾向に基づいた『よい人』だけではなく、例えば理系の人にあえて文系の人をお勧めするなど『偶然の出会い』をシステムに組み込むことも考えていきたい」と今後の展望も語っていた。

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