リアルの借りはバーチャルで。プロ野球初のeリーグ、西武が初代王者に。20年ぶりの「日本シリーズ」対戦で横浜に雪辱

本物の球場さながらの盛り上がりを見せた
「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」西武ライオンズが攻める場面
「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」西武ライオンズが攻める場面

プロ野球のeスポーツリーグ「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」で、日本一を決める日本シリーズが1月12日、東京ビッグサイトで開催された。

埼玉西武ライオンズが6-3で横浜DeNAベイスターズを破り、初代チャンピオンの栄光を手にした。

■ eリーグ元年。盛り上がりが伝わる試合に

eスポーツはエレクトロニック・スポーツの略。コンピューターゲームの対戦をスポーツ競技にしたもので、パワプロリーグではKONAMIの「実況パワフルプロ野球」で対戦する。

パワプロ・プロリーグは、実際のプロ野球と比べるとリアルとバーチャルの違いはあるが、この日の試合ではヒットや好プレー、エラーが出るたびに満員の会場は歓声に包まれ、本物の球場さながらの盛り上がりを見せた。

解説をしたのは、元プロ野球選手で現役解説者の真中満氏と谷繁元信氏。ライオンズの辻監督とベイスターズのラミレス監督からのビデオメッセージが流されたり、プロ野球12球団のマスコットが全員集まったりと、随所に演出が散りばめられた。

解説の真中満氏(中央)と谷繁元信氏(右)。
解説の真中満氏(中央)と谷繁元信氏(右)。

パワプロ・プロリーグでは、各チームに3人の選手が所属する。e日本シリーズは実際のプロ野球と同じ9イニング制(ペナントレースは6イニング制)で行われ、3イニングごとにプレイヤーが交代して、パワプロの腕を競い合った。

埼玉西武ライオンズと横浜DeNAベイスターズは、約20年前の1998年にプロ野球日本シリーズを戦ったチーム同士だ。

20年前は横浜DeNAベイスターズ(当時は横浜ベイスターズ)が日本一に輝いたが、日本初のeシリーズでは、埼玉西武ライオンズが"リアル"の借りを"バーチャル"で返した。

■ 来シーズンも開催

パワプロ・プロリーグは、日本野球機構(NPB)とコナミデジタルエンタテインメントが共同で開催し、2018年11月10日に開幕した。

プロテストを勝ち抜いて選ばれた選手には、出場試合や個人タイトルに応じて報酬が支払われる。

今シーズンの報酬総額は 約1200万円。最優秀選手に選ばれた埼玉西武ライオンズのなたでここ選手は、パ・リーグの首位打者、最多本塁打、最多打点、最優秀防御率も獲得し、個人タイトルで110万円を受け取った。

日本一になった埼玉西武ライオンズ。左からミリオン選手、なたでここ選手、BOW川選手
日本一になった埼玉西武ライオンズ。左からミリオン選手、なたでここ選手、BOW川選手

試合後、NPBの斉藤コミッショナーが「(eリーグは)野球の楽しみを提供し、野球ファンの拡大のために開催しました。さらに発展させて、2019年もシリーズを開催します」と来シーズンの続行を宣言した。

今シーズンの大活躍で一躍注目されるようになった、なたでここ選手は「プロリーグは今年が発足。パワプロをやりたい方が増えるほどに、加熱すると思いますが、負けないように頑張っていけたらいいなと思います」と、来期への意気込みを語った。

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