2019年01月21日 11時55分 JST | 更新 2019年01月21日 12時05分 JST

人を「巻き込むチカラ」を考える。 だれかと一緒に仕事するとき、ビジネスパーソンに知っておいてほしいこと

企画を立ち上げ、成功させるヒントを探るべく、新規事業を興したビジネスパーソンと、企画力を生業とするノンフィクションライターが語る

企画を立ち上げ、成功させるヒントを探るーーー新規事業を立ち上げたビジネスパーソンと、企画力を生業とするノンフィクションライターが語る対談企画。今回のテーマは、"巻き込むチカラ"です。企画を立ち上げても、成功へ導くには自分ひとりの力だけでは限界があります。"個"から始まったものをいかにスケールさせるか。そのためには「人を巻き込んで可能性を広げる」ことが重要だと二人は言います。

(第1回対談「企画を通すチカラ」はこちら

PHOTO BY 吉川 秀樹
KDDIフィナンシャルサービス株式会社 代表取締役社長の石月貴史氏(左)と、記者、ノンフィクションライターとして活動する石戸 諭氏(右)

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キーワードは「正しく、愚直に」考えること

石戸:会社の中で企画を進めていこうと思っても、付いてきてくれる仲間がいないと孤独な戦いを強いられてしまいますよね。石月社長は会社のリーダーという立場で、普段どういったことを意識されていますか?

石月:そうですね、私自身悩みながらではありますが..."公正かつ適正な判断をし、進むべき方向を明確化する"ことを意識しています。経営者たるもの、社の企業理念に沿い私心なく愚直なまでに正道を歩む、そういう存在であるべきだと思います。

一方で、常に今より良くありたいと思うタイプなので、何かをしていないと気がすまず、社員のみんなからはせわしないと思われているかもしれませんが...

石戸:王道をつらぬくせわしないリーダー。だから、ついていきたいと思う人もいるでしょうね。

石月:そうでしょうか(笑)。なすべき正しいことを愚直に懸命に考えることをすごく大切にしていますし、企画を立ち上げる社員のみんなにも、そうあってほしいと伝えています。

あくまで持論ですが、企画を成功させることの要因は、人間のもって生まれた能力より、「正しいことを深く考えることができているか」ということのほうが大きいのではないか、と思っているんです。

PHOTO BY 吉川 秀樹

石戸:それって、社長が社員の皆さんをすごく信頼しているからこそ言えることですよね。信頼しているからこそ、一生懸命に社員のみなさんのことを考えるし、それに応えてほしい!という思いが生まれるんだと思うんです。

人を巻き込んで何かものごとを動かそうと思ったら、まずは自分のなすべきことを愚直に、深く考えて、相手に伝える。ビジネスの世界ではあたりまえのことのようですが、大切なことですよね。一生懸命考える、という過程を経ていると、口頭で説明するにしろテキストを書くにしろ、"言葉のチカラ"が大きく変わってくると思うんです。

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「忖度」では人は巻き込めない?

石月:人を巻き込んでいくことで可能性が広がる、というのは会社勤めならではの利点ですよね。

石戸:おっしゃる通りだと思います。私は現在フリーの物書きとして活動しているのですが、振り返ってみると、組織の良いところというのは、いろんな人がいること、さまざまなロールモデルがあることだな、と思うんです。

石月:そうですね、いろんな人がいることで、可能性が広がり、自分の能力を超えたものができるかもしれない。自分で会社を立ち上げてみてつくづく思うのは、「ひとりでできないことができる」ということの面白さですね。

そうした意味で、会社をもっとスケールさせていくために、「忖度」はいらないと思ってるんです。

石戸:視点をわざわざ揃える必要はないですね。個人だけではできない大きなことをやる。可能性を広げることができるのが、会社の利点でしょう。

PHOTO BY 吉川 秀樹

石月:忖度の結果、多様な個性の価値を消してしまって、その掛け合わせにより広がっていたはずの可能性を潰してしまい、忖度される側の価値観にかたよってしまう。それじゃ進歩はないですよね。

会社は個性を生かす場であるべきです。自分という個性を大切にして、自分のやりたいことと会社のミッションをシンクロさせることで新たな価値を生み出す。人を"巻き込むチカラ"の源泉はこういう思いであるべきで、忖度ではありえませんよね。このような考え方ができる方と一緒に働きたいと思います。

石戸:キャリアという意味合いでも、"自分を出すことで周囲の人間を巻き込むことのできるビジネスパーソン"が求められる時代になっている、ということを強く感じさせられます。

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(この企画は全三回でお送り致します。次回のテーマは「ON/OFFを切り替えるチカラ」です)

KDDIフィナンシャルサービスについてはこちらです

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【対談者プロフィール】

石月 貴史(いしづき たかし)

KDDIフィナンシャルサービス株式会社 代表取締役社長。1990年、KDDI株式会社入社。財務部などを経て株式会社じぶん銀行の創業に参画。2011年よりKDDIに帰任し、新規事業統括本部 新規ビジネス推進本部 事業開発部長として「au WALLET構想」の具現化に向け、KDDIフィナンシャルサービス株式会社の設立を企画。2014年、同社を設立と同時に現職に就く。

石戸 諭(いしど さとる)

記者、ノンフィクションライター。2006年に毎日新聞社入社。岡山支局、大阪社会部、東京デジタル報道センターで勤務。2015年末で退職し、2016年1月よりインターネットメディアBuzzFeed Japanで立ち上げから記者を務めた。2018年4月よりフリーランスとして多数の紙、ウェブ媒体で執筆。ラジオやAbemaTV等でコメンテーターも務める。著書に『リスクと生きる、死者と生きる』。