中国の出生数減少 「3000万人を越える男性が結婚できない可能性」男女比にもゆがみで

「経済に影響ない」当局は強調

中国の国家統計局は1月21日、2018年の出生数は1523万人だったと発表した。新京報などの現地メディアによると前の年よりも200万人減少した。中国は2016年に子供の数を原則1人とする「一人っ子政策」を廃止したが、少子化の流れを止められていない。

子どものイメージ写真
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■「一人っ子政策」廃止も・・子供は減少

国家統計局の発表によると、2018年末時点での中国の人口は、香港やアモイなどの特別行政区や台湾などを除いて13億9538万人。前年より530万人増加した。一方で生まれた子供の数は1523万人。新京報などによると、前年よりも200万人減少している。

中国は1978年に子供の数を原則1人とする「一人っ子政策」を始めたが、経済に影響が出るとの不安から2016年に撤廃。夫婦は子供を2人まで持てるようになった。しかし2017年から出生数が減少に転じて以降、回復の兆しは見えていない。

■3000万人の男性が結婚できない?

また、男性が7億1351万人いるのに対し、女性は6億8187万人と男性が3100万人以上多くなった。これを受けて「鳳凰新聞」は「3000万人を越える男性が売れ残る?」と題した記事を掲載し、「男女比は改善したものの、依然男性が多く、特に農村地区などで結婚できない男性が多く出る可能性がある」とした。

そして専門家の話として「出生数の減少ペースは予想を超えていて楽観視できない。多くの未婚男性が出るため、結婚できた家庭がより多く子供を産まないと人口は維持できない」などとする談話を伝えている。

■「経済に影響ない」当局は強調

香港のフェニックステレビの記者は、こうした出生数の減少が経済成長に影響しないのか質問している。統計局の寧吉テツ局長はこれに対し「全体の人口が増加しているだけなく、出生数そのものも高い水準だ。人口は1年で判断するものではなく、長期的な視野で見る必要がある」と答えている。

その上で、国内で7億人以上が就業している上、内陸部の発展に従って投資も進んでいることに触れ「人口ボーナスは依然として存在しており、中国経済を中長期的に良い方向へ支える要素は何も変わらない」と強調した。

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