防衛省が最終見解。火器管制レーダー照射の『音源』を公開「協議を続けても、真実の究明に至らない」

レーダー照射があった根拠として、当時P-1哨戒機の乗組員が聞いていた探知レーダー音(保全措置済)とする音源の公開にも踏み切った。
防衛省が発表した映像より
防衛省が発表した映像より
YouTube/modchannel

韓国海軍駆逐艦から海上自衛隊のP-1哨戒機に火器管制レーダーが照射されたとされる問題で、防衛省は1月21日、最終見解を発表した

レーダー波の周波数や波形などを解析した結果、「韓国駆逐艦からのレーダーを一定時間継続して複数回照射されたことを確認した」と結論づけたほか、「これ以上実務者協議を継続しても、真実の究明に至らない」として韓国側との協議を打ち切る意向を示した。

レーダー照射があった根拠として、当時P-1哨戒機の乗組員が聞いていた探知レーダー音(保全措置済)とする音源の公開にも踏み切った。

公表したのは「火器管制用」と「捜索用」の2種類。火器管制用が継続的に音声が続くのに対して、捜索用は断続的に音が鳴っている。

防衛省はまた、日韓双方が火器管制レーダーに関する証拠を出し合って共同検証する提案が拒否された点や、日本側の提案を「無礼」と批判した対応などに触れ、「これまでの韓国側の主張が一貫しておらず信頼性に欠けるものであることを踏まえると、韓国側が事実とは全く異なる主張を繰り返していると結論付けざるを得ない」とした。

今後の対応として、改めて抗議や再発防止を要求する一方で、協議継続を断念する意向を示した。その上で、「日韓・日米韓の防衛協力の継続へ向けて真摯に努力していく」との立場を示した。

日韓の主張が真っ向から対立

この問題をめぐっては、発覚当初から日本と韓国側の意見が真っ向から対立している。

防衛省は、石川県能登半島沖で12月20日午後3時ごろ、韓国海軍の駆逐艦から火器管制レーダーを照射されたと発表したが、韓国側は照射を否定。

そのため防衛省が28日、照射の根拠としてP-1哨戒機から撮影した映像のYouTube公開に踏み切った

これに対して韓国側は、緊急会見を開いて「常識的に追跡レーダーを照射したという主張の客観的な証拠とはいえない。事実関係をごまかしているものだ」と日本側の主張を改めて否定していた。

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