日清、大坂なおみ選手のアニメCMを公開停止に 「選手活動に影響があると判断」

大坂選手がアニメキャラクターとして登場する「カップヌードル」のCM。肌の色が実際よりも白く描かれているとして、議論が起きていた。
「新テニスの王子様」とコラボしたカップラーメンCM「いざ、グランドスラム編」より
「新テニスの王子様」とコラボしたカップラーメンCM「いざ、グランドスラム編」より
HuffPost Japan

テニスの大坂なおみ選手と所属契約を結ぶ日清食品ホールディングスは1月23日、大坂選手がアニメキャラクターとして登場する「カップヌードル」の広告動画を削除した。動画をめぐっては、大坂選手の肌の色が実際よりも白く描かれているとして議論が起きていた。

削除までの経緯は?

CMは、人気漫画「新テニスの王子様」の世界観に溶け込んだ大坂選手と錦織圭選手がグランドスラムを目指し、修行するという内容。1月11日に第一弾「修業編」がSNSで公開され、14日に続編「いざ、グランドスラム編」が公開された。

夢の競演が実現し、動画は好評を博した。一方で、ハイチ系アメリカ人の父親を持つ大坂選手の肌の色に対し、「ホワイトウォッシュ(非白人を白人のように描くこと)ではないか」と違和感を指摘する声がTwitterで上がった。

15日にハフポスト日本版が『大坂なおみ選手の肌の色に違和感? テニプリコラボの日清「カップヌードル」CMで論争に』として取り上げた際の取材で、日清食品は「アニメの世界観の中で原画をもとに大坂選手サイドにも確認していただいた」とホワイトウォッシュを否定している。

その後、19日にThe Japan Timesが「大坂がホワイトウォッシュされている表現を見た」などと言及するコラム記事を掲載。

22日には、米紙The New York Timesが「肌を白く表現し、ヘアスタイルも変わっているなどと日本で批判を受けている」と報道した。日清食品は同紙の取材に対し、「混乱と不快感」を招いたことについて謝罪した。

イギリスのThe GuardianBBCなどの海外メディアもこの問題を取り上げ、23日、日清食品はCMの公開停止を発表した。

マネジメント会社からの要請受け、公開中止に

同社の広報担当者によると、アニメの原画や設定などはマネジメント会社IMGジャパンを通じて大坂選手サイドにも随時確認をしており、「意図的に肌を白くしたということはない」という。

動画の削除に至った経緯について、「IMGジャパンとアメリカにあるIMG本部で、今回の企画について情報の共有がうまくされておらず、動画を削除してほしいと依頼があった」と説明。

「社会の中でいろいろな議論が起きている状況で、動画の公開を続けることで大坂選手の選手活動に影響があると判断した」という。

広告は、全豪オープンでの錦織選手、大坂選手の活躍を応援することを目的に作られたものだが、「当初の目的とは大きく異なる状況になった」ことを鑑み、公開中止を決めたという。

同社は、「日清グループは、基本的人権を尊重し、性別や年齢、人種などに配慮して企業活動を行っており、広告宣伝においても同じポリシーを掲げています。今後はより一層人権や多様性を尊重しながら、慎重に広告宣伝を進めるようにいたします」とコメントした。

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